中心星に落下する運命の系外惑星

【2009年9月1日 University of St Andrews

イギリスの系外惑星観測チームWASPが、恒星にとても近く、やがて中心星に向かって落ち込む運命にある系外惑星を発見した。


中心星WASP-18と惑星WASP-18bの想像図

中心星WASP-18と惑星WASP-18bの想像図。クリックで拡大(提供:University of St Andrewsのリリースページの動画から切り出した静止画)

地球から1,000光年離れた恒星のまわりに、質量が木星の10倍ほどのガス惑星WASP-18bが発見された。WASP-18bの軌道は中心星にとても近く、英・セント・アンドリューズ大学の研究者によると、早ければ約50万年で惑星は中心星に向かって落下してしまうと計算されている。

地球と月の場合、月の公転速度は地球の自転速度よりかなり遅い。そのため、月が地球の回転エネルギーをもらい、地球の自転速度は除々に遅くなり、月はやがて地球から離れていく。WASP-18bと中心星の場合、惑星の公転速度は中心星の自転速度に比べて速いために、中心星に速度を奪われ、結果として惑星は中心星に向かって落下するというのである。

セント・アンドリューズ大学のAndrew Collier Cameron教授は、「惑星があとどのくらい生き残れるかはまだわかりません。50万年くらいか、あるいは5億年かもしれません。しかし、落ち込みが早ければ、今後5年から10年の間に惑星の軌道が縮小していくようすを観測できるかもしれません」と話している。