近傍銀河に明るい超新星が出現、西山さん椛島さんが発見
【2009年11月25日 VSOLJニュース(226)】
福岡県の西山浩一さんと佐賀県の椛島冨士夫さんが、11月23日(世界時)に撮影した画像から、ろくぶんぎ座の渦巻銀河NGC 3423に15.1等級の超新星を発見した。お二人は銀河系内の新星やM31に出現した新星などを数多く発見されている熟練捜索者だが、超新星発見は初めてのことだ。
VSOLJニュースより
しし座の足元、ぎりぎりろくぶんぎ座の領域にある渦巻銀河NGC 3423は、渦を正面から眺めているため構造がよくわかる近傍銀河です。距離は4000万光年前後と、銀河のなかではかなり近い部類のものです。このNGC 3423に、超新星らしき天体が出現しました。見つけたのは、これまで各種の新天体を発見している、福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんのコンビです。
彼らは11月23.779日(世界時、以下同様)に撮影した画像で、15.1等級の新しい天体に気付きました。翌24.814日にも15.3等級で輝いていましたが、以前に撮影した画像には写っていません。新天体の位置は以下のとおりで、NGC 3423の中心核から東に3秒角、北に35秒角にあたります。この新天体には、超新星2009lsと符号がつけられました。
赤軽 10時51分14.58秒 赤緯 +05度50分58.8秒 (2000年分点) NGC 3423の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星
この銀河の典型的なIa型超新星は、極大で11等級台にもなると期待されます。ただしこの銀河は、ここ数か月間太陽に近い方向にあったため、爆発後時間が経った超新星である可能性も高いでしょう。今後の明るさの推移やスペクトル観測によるタイプ判別が楽しみです。
超新星2009lsの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。
また、新しいデータや番組を入手できる「コンテンツ・ライブラリ」では、簡単にダウンロードして星図に一覧表示できる「日本人が発見した超新星」のデータも公開しています。あわせてお楽しみください。