仙台の小石川さん、くじら座の銀河に超新星2010joを発見
【2010年11月11日 VSOLJニュース(251)】
仙台市天文台の小石川正弘さんが11月6日、くじら座の銀河に超新星2010joを発見した。小惑星の発見など長年天体捜索を続けてきた小石川さんだが、超新星の発見はこれが初となる。
VSOLJニュースより
杜の都と名高い宮城県仙台市には、1955年開台という日本有数の歴史を持つ公開天文台「仙台市天文台」があります。2008年に移転リニューアルし、口径1.3mの望遠鏡をはじめ、プラネタリウムや展示室を備えた施設です。この1.3m望遠鏡を使って、超新星が発見されました。発見したのは同天文台の小石川正弘(こいしかわまさひろ)さん。長年天体捜索を続けており、小惑星を多数発見されてきましたが、超新星の発見ははじめてです。
小石川さんは、11月6.580日(世界時、以下同様)撮影の画像から、くじら座の楕円銀河UGC 595に17.5等の新天体を見つけました。天体の位置は以下のとおりで、銀河の中心核から10秒角東、6秒角南にあたります。
赤経 00時57分35.60秒 赤緯 -01度23分33.0 秒 (2000年分点) くじら座の銀河UGC 595の周辺星図とDSS画像に表示した超新星
アメリカのチームによって10日に行われた分光観測で、天体は極大に近いIa型超新星であると報告されています。
公開天文台における超新星発見は、久万高原天体観測館の藤田康英さん、西はりま天文台の内藤博之さん(当時)の例がありますが、東日本では初めてのことになります。東日本にも公開天文台は多く、今後のさらなる活躍が期待されます。
超新星2010joの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。
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