「ケプラー10」星に2つめの地球型惑星を発見
【2011年5月24日 赤外線天文衛星スピッツァー/NASA】
これまで見つかった系外惑星の中でもっとも地球に近い大きさを持つ「ケプラー10b」と同じ惑星系に、もう1つの岩石惑星「ケプラー10c」が見つかった。
今年1月に発見された「ケプラー10b」は直径が地球の1.4倍しかなく、しかも高密度の岩石惑星ということで、ある意味では「地球によく似た系外惑星」とも言える。だが、公転周期がたったの20時間ほどで中心星に非常に近い高温の環境にあり、いわゆる生命に適した範囲「ハビタブルゾーン」から大きく外れている。
その「ケプラー10b」と同じ惑星系で、2つめの地球型惑星「ケプラー10c」が確認された。
まず系外惑星探査衛星「ケプラー」が、「トランジット観測」と呼ばれる手法で、惑星「c」が恒星の手前を通過する際に起きる減光を検知した。さらに「Blender」と呼ばれるソフトウェアによる光度変化の検証や、「赤外線天文衛星スピッツァー」の観測データとの突き合わせにより、「ほぼ間違いなくケプラー10を公転する惑星である」ことがわかったという。中心星のケプラー10は、りゅう座とはくちょう座の境界あたりにある11等星である。
「c」は「b」よりやや大きく直径は地球の2.2倍、公転周期は45日だ。「b」ほどではないものの、やはり中心星に近く灼熱の環境である。とはいえ、これで同じ惑星系に地球型惑星が2つ存在することが明らかになり、惑星系のモデルを考えるうえで貴重なサンプルとなりそうだ。
ステラナビゲータで系外惑星の位置を表示
ステラナビゲータでは、450個を超える「惑星の存在が確認された恒星」を追加天体として「コンテンツ・ライブラリ」で公開しており、ケプラー10(中心星)が存在する方向を星図に表示できます。ステラナビゲータをご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてください。