太陽系外の惑星系の数が600個を突破
【2012年1月27日 NASA】
NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」が、11個の恒星から全部で26個の惑星を発見した。すべて主星からの距離が近く、地球の1.5倍から木星以上の大きさをもつ惑星だ。系外惑星の存在が確認された恒星の数は今回の発見で600個を超え、この1年で約170個増えた。また系外惑星そのものの数は750個を超え、この1年で約230個増えた。
「ケプラー」は2009年に打ち上げられた系外惑星探査専用の宇宙望遠鏡で、はくちょう座からこと座にかけての狭い領域から、これまでに60個以上の系外惑星、2300個以上の系外惑星候補天体を発見している。
ケプラーは15万個の恒星を繰り返し観測し、その明るさが変化していないかを確かめることで、惑星を持っていそうな恒星を探している。これは惑星が主星の前を横切ったときに明るさが変化することを利用した発見方法で、「トランジット法」と呼ばれるものだ。
さらに同一の恒星に複数の惑星が存在しているときには、それぞれの惑星が重力を及ぼしあうことによって恒星の前を横切る速度が変化することがわかっている。この速度の変化をとらえることで、複数の惑星を発見することができる。この新しい手法を用いれば、より暗く、より遠い恒星に惑星が存在していてもとらえることができると期待される。
この新しい手法で今回発見された惑星の大きさは地球の1.5倍〜木星以上で、どれも主星からの距離が近く、遠いものでも金星軌道よりも近いものであった。例えば「ケプラー33」という惑星系には全部で5つの惑星があり、その惑星の大きさは地球の1.5倍から5倍(木星の約0.4倍)程度で、すべて太陽と水星までの距離(太陽から地球までの約0.4倍)よりも近いところを公転していることがわかった。
今回発見された惑星が地球のような岩石惑星であるのか海王星のようなガス惑星であるのかはまだわかっていないが、更なる研究によって特定できることが期待されている。
ステラナビゲータで系外惑星の位置を表示
ステラナビゲータでは、600個を超える「惑星の存在が確認された恒星」を追加天体として「コンテンツ・ライブラリ」で公開しており、中心星が存在する方向を星図に表示できます。ステラナビゲータをご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてください。