太陽セイル「イカロス」が世界記録に認定

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【2012年12月3日 JAXA

2010年5月に打ち上げられ、さまざまな技術的“世界初”を成し遂げたJAXAの小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」が、2つのギネス世界記録に認定された。


小型分離カメラが撮影したイカロス

2010年6月14日に「イカロス」の小型分離カメラDCAM2が撮影した帆の全景(提供:JAXA、以下同様)

イカロスの小型分離カメラ

「イカロス」本体における小型分離カメラの搭載位置(左)とカメラの形状。クリックで拡大

森治さんと澤田弘崇さん

認定証を手にする森治さん(左)と、DCAM開発のとりまとめを行った澤田弘崇さん。クリックで拡大

今回ギネス世界記録として認められたのは、(1)最初の惑星間ソーラーセイル宇宙機であること(2)「イカロス」本体を撮影するために射出された2機の小型カメラDCAM1とDCAM2が、最小の惑星間子衛星であること、という2つだ。

「イカロス」は2010年5月に金星探査機「あかつき」と一緒に打ち上げられた小型衛星で、翌6月には2台の小型カメラ「DCAM1」と「DCAM2」を分離して本体の撮影にも成功した(画像1枚目)。2つのカメラはそれぞれ直径・高さともに約6cmの円筒形(画像2枚目)で、現在は本体とともに太陽系を周回していると見られ、今回「最小の惑星間子衛星」として認定された。

その後「イカロス」では、太陽光圧による航行と薄膜太陽電池による発電といった、将来の木星やトロヤ群小惑星などの太陽系探査につながる技術の実証が行われた。

多くの実験ミッションを完遂した後、太陽光を受けにくい方向・距離となったために2012年1月ごろから冬眠モードに入っていたが、今年9月に通信の復旧に成功した。現在も電波は弱いながら運用が続けられている。

「イカロス」デモンストレーションチーム長の森治さんは、今回の認定を受けて「これを弾みに、イカロスの後継機となるソーラー電力セイル探査機の検討を進めていきたい」(抜粋)とコメントしている。