30m望遠鏡プロジェクト、主鏡を今年度製作開始

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【2013年6月4日 国立天文台

2022年の観測開始を目指す30m望遠鏡(TMT)建設準備のための今年度予算措置が行われ、望遠鏡の主鏡製作など建設に向けた本格的な動きが決定した。


TMT完成予想図

TMT完成予想図。クリックで拡大(提供:国立天文台)

TMT主鏡の分割鏡(試作品)

対角1.44mの六角形の分割鏡を492枚並べて主鏡を構成する。画像は昨年度の試作品で、今年度から鏡材実物の量産が始まる。クリックで拡大(提供:国立天文台)

次世代大型望遠鏡「30m望遠鏡(TMT)」の建設に向けた今年度の12.4億円の予算措置が行われた。

日本・アメリカ・中国・インド・カナダの5か国協力によるTMT計画は、口径30mの光赤外線望遠鏡を米ハワイ州・マウナケア山頂に建設するプロジェクトだ。2022年に観測を開始し、地球型の太陽系外惑星における生命の兆候の探査や、初期宇宙における銀河形成の解明を目指す。

国立天文台では今年度、望遠鏡主鏡の製作を開始する。主鏡の鏡材の量産や表面加工のほか、望遠鏡本体の構造や観測装置の一部の製作も担う予定で、建設費については総額約1500億円のおよそ4分の1を負担することを計画している。