がか座βの星周円盤に一酸化炭素の雲
【2014年3月11日 ヨーロッパ南天天文台/アルマ望遠鏡】
アルマ望遠鏡の観測から、がか座β星の星周円盤に一酸化炭素の雲が見つかった。彗星同士の衝突で放出されたものと推測される。
63光年彼方の4等星、がか座β星は、その周囲にガスと塵の円盤(原始惑星系円盤)が見つかった最初の恒星だ。恒星から12億km離れた軌道を回る惑星も発見されている。
南米チリにある電波望遠鏡アルマの観測で、この円盤中の、主星から約130億km(太陽〜海王星のおよそ3倍)離れたところに一酸化炭素のコンパクトなかたまりが見つかった。
一酸化炭素は恒星からの放射で壊れやすく、この程度の距離では100年で消えてしまうはずだ。形成後2000万年経ったこの円盤で見つかるということは、彗星のような氷天体同士の衝突により放出・供給されていることが推測される。
観測された一酸化炭素が大量で、しかも一極集中していることから、土星程度の質量を持つ惑星の重力により群がってきた彗星がせまい範囲で頻繁に衝突しているか、あるいは火星サイズの天体同士が一度、大規模衝突を起こしたと考えられる。いずれのケースもこの惑星系に未知の惑星が存在することをうかがわせるもので、今後さらにパワーアップするアルマ望遠鏡を用いた調査が待たれる。