「あかつき」、金星の雲の微細な凹凸をとらえる

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7日に金星周回軌道へ投入された「あかつき」が、その4日後に撮影した金星の赤外線画像が公開された。これまで知られていなかった雲の構造がとらえられている。

【2015年12月18日 JAXA

金星探査機「あかつき」には6種類のカメラが搭載されており、それぞれ異なる現象や構造をとらえることができる。今月7日に金星周回軌道に投入された際、「あかつき」は3つのカメラで金星を撮影していたが、その4日後の11日に撮影された新たな画像が公開された。

今回公開された画像は波長2μm付近の赤外線波長で観測を行う「IR2」カメラで撮影したものだ。観測には検出器をマイナス200度以下まで冷却する必要があったため、他のカメラより少し遅れての観測開始となっている。

IR2カメラで撮影された金星
IR2カメラで撮影された金星(提供:JAXA)

波長2μm付近は二酸化炭素の強い吸収帯に当たり、金星を覆う雲の高低が明暗として画像に写し出される。画像からは、南北半球とも緯度50度付近よりも極側で雲頂が低くなっている(暗くなっている)ことがわかる。

さらに今回初めて、低緯度の縞模様や南北に延びる構造も撮影された。今後の観測と解析によって金星の雲の層と大気のダイナミクスを解明する手がかりになると期待される。

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