太陽系近傍で2例目、赤色矮星を回る新たなスーパーアース

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探査機「ケプラー」のデータから、約170光年彼方の系外惑星「K2-28b」が発見された。K2-28bは地球の2.3倍の大きさをもつ「スーパーアース」で、太陽系の比較的近傍で発見された赤色矮星の周りを公転する「トランジット・スーパーアース」としては世界で2例目となる。

【2016年4月6日 国立天文台 岡山天体物理観測所

東京工業大学、国立天文台、アストロバイオロジーセンターを中心とする国際研究チームが、みずがめ座の方向約170光年の距離に位置する系外惑星「K2-28b」を発見した。系外惑星探査衛星「ケプラー」による観測データから候補を選び、岡山天体物理観測所の口径188cm望遠鏡と可視光線多色カメラMuSCATなどを用いた観測で系外惑星と確認されたものだ。

K2-28bの直径は地球の2.3倍で、地球と海王星の中間のサイズをもつ「スーパーアース」(巨大地球型惑星)に分類される。摂氏約2900度と低温の赤色矮星の周りを、約2.3日周期で公転している。

赤色矮星は天の川銀河で最もありふれたタイプの星だが、小さくて暗いために惑星探索はまだあまり進んでいない。そのため、赤色矮星を回る「トランジット・スーパーアース」(地球から見て中心星の手間を惑星が通り過ぎるような位置関係にあるスーパーアース)は発見数がまだ少なく、太陽系の比較的近傍(200光年以内)に発見されたものとしてはK2-28bが世界で2例目となる。

このK2-28bは、2009年に発見された1例目のトランジット・スーパーアース「GJ 1214b」にサイズや温度環境が驚くほどよく似ている。GJ 1214bはこれまでに唯一大気の性質が詳細に調べられたスーパーアースで、大気の高層に厚い雲がかかっている可能性が高いことがわかっている(参照:アストロアーツニュース「青い光からわかるスーパーアースの空」)。

惑星のサイズの比較
惑星のサイズの比較(提供:国立天文台)

大気の性質が詳細に調べられたスーパーアースはGJ 1214bの他にはなく、厚い雲の存在がスーパーアースに普遍的な性質かどうかはよくわかっていない。今後、GJ 1214bの双子とも呼べるK2-28bの大気の性質を詳細に調べることで、スーパーアースがもつ大気の一般的な性質を明らかにできると期待されている。

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