星座八十八夜 #5 宝石のように輝く美しい星座「かんむり座」

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〈かんむり座〉は7つの星がきれいな半円形に並んだ星座。神話では宝石をちりばめた冠だと伝えられています。

【2023年7月14日 アストロアーツ

星座八十八夜

「スマホで楽しむ星空入門」より抜粋)

見どころ

春の星座の〈うしかい座〉のアルクトゥールスと、夏の星座の〈こと座〉のベガをさがし、その間のいちばん明るい星が、2等星のアルフェッカで、〈かんむり座〉の目印の星です。そのあたりの星空をよく見ると、アルフェッカをはさんで左右に丸く星が並んでいるのが見つかります。これが〈かんむり座〉です。夜空の中でも見つけやすい形の星座です。

かんむり座

星座の起源

古代ギリシアでは冠とされた星の並びですが、わかりやすい形なので世界各地で様々な姿に見立てられています。アラビアでは、「欠けた皿」「貧乏人の皿」などといわれました。最も明るい星アルフェッカの名前もアラビア語で「欠けたもの」という意昧です。

日本では、「かまど星」「へっつい(これもかまどの意昧)星」などと呼ばれていました。半円形でなく環に見立てて「じゅず星」「からかさ星」「たいこ星」「くるまざ星」「どひょう星」という呼び方もあります。中国やオーストラリアでも固有の名前で親しまれています。

星座の物語

ギリシア神話では、ミノタウルス退治の長い物語の最後に、この冠が登場します。

アテナイでは毎年7人の男女をクレタ島の化けもの「ミノタウルス」にいけにえとして差し出さなければならなくなりました。そこでアテナイの王子テーセウスがいけにえになりすまして、ミノタウルスを退治することになりました。無事ミノタウルスを退治したあと、テーセウスとクレタ島の王女・アリアドネはかけおちをしたのですが、船旅の途中で嵐にあいました。そしてテーセウスは神のおつげにしたがい、アリアドネをナクソス島に置き去りにしてしまいます。

アリアドネは、海に身を投げようとしたのですが、酒の神ディオニュソスがそれを止めました。ディオニュソスはアリアドネをやさしくなぐさめ、宝石でかざられた美しい冠を贈りました。やがてアリアドネはディオニュソスの妻となります。アリアドネの死後、ディオニュソスはアリアドネに贈った冠を、空高く投げ上げました。これが星座になりました。

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