星座八十八夜 #28 大神ゼウスのお気に入り「みずがめ座」

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少年が水がめをかついでいる姿を表した星座です。水がめから流れ出た水を、足下の〈みなみのうお座〉が飲み干しています。「三ツ矢」を目印に探してみましょう。

【2023年10月4日 アストロアーツ

星座八十八夜

「スマホで楽しむ星空入門」より抜粋)

見どころ

暗い星ばかりでできた星座なので、さがすのはちょっと難しいかもしれません。

目印は〈ペガスス座〉の四辺形の対角線を南西に伸ばしたところにある、「三ツ矢」の形をした星の並びです。ここが水がめの口で、そこから西側が少年の肩の部分、東側から南に向かって2つの列を作っているのが、水がめから流れた水の部分です。

水がめからこぼれた水は、1等星フォーマルハウトにつながっています。星座線もフォーマルハウトに結ばれていますが、この星は〈みなみのうお座〉に属しています。

みずがめ座

みずがめ座には球状星団であるM2やM72、惑星状星雲の「らせん状星雲(NGC 7293)」や「土星状星雲(NGC 7009)」といった天体もあり、双眼鏡や望遠鏡を使って楽しむことができます。

星座の起源

5000年以上前の古代メソポタミアまで起源をさかのぼれる古い星座です。そのころは「偉大なもの」と呼ばれていましたが、最初から水の流れるつぼを持った姿で描かれました。当時のオリエントでは、太陽が〈やぎ座〉や〈みずがめ座〉〈うお座〉にあるころが雨期でした。そこで人々は水に関係する星座を当てはめたようです。

〈みずがめ座〉は「黄道十二星座」の一つで、1月20日~2月18日生まれの人の誕生星座となっています。

星座の物語

神々の住みかであるオリンポスで、大神ゼウスはいつも愛娘のヘーベにお酒の相手をさせていました。ところが、ヘーベがギリシアの英雄ヘルクレスと結婚してしまったので、代わりとしてトロイのイーダ山で羊の番をしていた美少年ガニメーデスを連れてきて、お酒のお酌をさせることにしました。ガニメーデスがゼウスのお気に入りだったので、星座になったといいます。ガニメーデスを連れてくるとき、ゼウスは大きなワシに変身しました。そのときのワシの姿が〈わし座〉になったといいます。

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