土星の位置を正確に計測

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土星探査機「カッシーニ」と電波望遠鏡ネットワークを利用した観測により、土星やその衛星の位置が従来よりはるかに高い精度で求められた。

【2015年1月9日 アメリカ国立電波天文台

NASAと米国立電波天文台の研究チームでは、10年以上にわたり土星を周回しながら探査している探査機「カッシーニ」からの信号を電波干渉計「VLBA」で受信し、その位置を計測してきた。VLBAではアメリカ各地に設置された10基のアンテナを組み合わせて、1つの巨大な電波望遠鏡のように精密な観測を行うことができる。カッシーニの位置を正確に知ることで、カッシーニが探査している土星やその衛星の重心位置も1、2kmの誤差で求めることができた。これは、従来の50~100倍の精度だ。

土星とその衛星
土星とその衛星(提供:B. Kent, A. Angelich, NRAO/AUI/NSF)

土星系の位置を正確に求めることで、太陽系の他の天体についても正確な計測が可能となり、惑星探査機のナビゲートなどに役立つ。また、土星が見かけ上接近する遠方天体の光に与える重力的な影響の調査など、宇宙物理の研究にも貢献が期待される。

明け方に見える土星の位置
明け方に見える土星(「ステラナビゲータ」でシミュレーション)

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