走行距離20kmを超えた、火星探査車オポチュニティ

【2010年3月30日 NASA

2004年に火星に着陸し、今も探査を続けているNASAの火星探査車オポチュニティの全走行距離が20kmを超えた。


(オポチュニティが撮影した「Bopolu」と呼ばれるクレーター周縁の画像)

オポチュニティが撮影した「Bopolu」と呼ばれるクレーター周縁。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/Cornell University)

火星探査車オポチュニティは、2004年1月に火星に着陸して以来、火星日で2000日以上(地球上の6年以上)という、前例のない長期間にわたって探査を続けている。

先週、(火星日の)2191日目を迎えたオポチュニティは、次の目的地であるエンデバー・クレーターに向かって67m前進し、この日までの全走行距離が20.0433kmとなった。

オポチュニティの探査期間は、当初3か月(走行距離にして600m)と予定されていた。幸いなことに、その予定を大幅に超えた現在でも、探査車の状態は良好なようだ。しかし、次の目的地であるエンデバー・クレーターまでは、まだ12kmという長い道のりが待っている。

画像は、オポチュニティのパノラマカメラが(火星日の)2179日目にあたった今月11日に撮影したもので、約65km先にある直径約19kmのクレーター「Bopolu」の周縁がとらえられている。

なお、オポチュニティの双子の探査車「スピリット」は、移動能力を失ったため、定点観測への切り替えが決定している。冬の訪れとともに太陽光が減少して電力不足となり、今は最小限の稼動状態にある。今後は、消費電力のさらに少ない休眠モードに入るため、これまで行われてきた週1回の通信も途絶えることが予想されている。