冥王星に4番目の衛星発見!

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【2011年7月21日 HubbleSite

ハッブル宇宙望遠鏡によって、冥王星に4つ目の衛星が発見された。これは直径わずか13kmから34km程度という冥王星の衛星の中では非常に小さなものであり、現在冥王星に向かっている探査機「ニューホライズンズ」の観測対象となる可能性がある。


冥王星と4つの衛星たち

冥王星と4つの衛星たち。緑の丸で囲まれた天体が新発見のP4。左が6月28日、右が7月3日の画像だが、各衛星の位置が移動しているのがわかる。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, and M. Showalter (SETI Institute))

2015年に冥王星に到着予定のNASAの探査機「ニューホライズンズ」のサポート観測を行っていたハッブル宇宙望遠鏡が、冥王星に新しい衛星を発見した。この衛星は仮符号としてP4という名前で呼ばれている。

これまで冥王星にはカロン、ヒドラ、ニクスという3つの衛星が既に発見されていた。P4の直径は13〜34kmであり、最も大きいカロン(直径1200km)や、直径が32kmから113kmに収まると考えられているヒドラやニクスと比較すると、最も小さい衛星と言えそうだ。また、P4は冥王星の周りを約31日の周期で回っており、その軌道はニクスとヒドラの間にあることもわかった(画像参照)。

「50億kmかなたにある、わずか30km程度の天体を見つけられるハッブル宇宙望遠鏡の性能には驚かされる」とこの観測を主導したMark Showalter氏は語っている。

このような準惑星の衛星系は、太陽系初期の頃に母星(この場合冥王星)に同等のサイズの天体が衝突し、その破片が衛星となったと考えられている。冥王星の衛星に小さな隕石のようなものが衝突すると、その破片などによって冥王星の周りに環を形成するかもしれないと言われているが、今のところそのようなものは発見されていない。

新しい衛星の発見によって、「ニューホライズンズ」が冥王星をフライバイする際の観測対象の候補がまた1つ増えたことになり、「ニューホライズンズ」による観測計画が多少変更される可能性もある。

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