金環日食まであと1か月
【2012年4月23日 アストロアーツ/郵便局】
来月の金環日食まであと1か月とせまった21日(土)、国立天文台の三鷹キャンパスで「第3回金環日食シンポジウム」が開催され、多くの人が安全に日食を楽しむための取り組みについて発表やディスカッションが行われた。27日に発売される金環日食の記念切手セットの情報も。
「金環日食シンポジウム」(2012年金環日食日本委員会主催)は昨年5月と10月にも行われたが、今回は金環日食を1か月後に控えた最後の回ということもあり、「この一大天文イベントをより多くの人に安全に楽しんでもらうには」という課題について、150名以上の天文普及・教育関係者らが活発な議論を行った。
発表講演では、安全な観察・撮影方法や、科学的成果のための観測プロジェクト、教育現場への働きかけ、自治体の盛り上げなど、さまざまな立場からの取り組みが紹介された。眼科医・尾花明さんは、過去の症例を挙げながら「子どもの眼は大人より光を透過しやすい」等、網膜症が起こりやすい例について説明した。また同委員会の斎藤泉さんらは、「日食めがねなど多くの観察グッズが市販されているが、規格表記が適切でないものや間違っているものが見受けられる。不明なことがあればメーカーに確認するように」と注意を呼びかけた。
ディスカッションでは、参加した学校関係者らから「金環日食が起こることや観察の危険性がまだまだ現場では認知されていない」という教育現場の状況が伝えられたほか、日食網膜症を患った男性が「観察ツールを使うということだけではなく、『正しい使い方で』観察することの重要性を知ってほしい」と、適切な安全周知の徹底を訴えた。
金環日食の記念切手セットが発売
オリジナル切手セット「金環日食」が、4月27日から東京都内の郵便局(一部を除く)で限定販売される。連続写真やベイリーズビーズ、木漏れ日の様子など金環日食の写真をあしらった切手10枚のシートと、日食めがねつき観測ノートがついたセットで、販売価格は1,700円。
5月5日からは、「郵便局のネットショップ」でもオンライン販売する(郵送料別)。