[SPECIFICATION]

スターエンハンスフィルタを利用した作例

StellaImage4の新機能「スターエンハンス」は、恒星を強調し画像全体を硬調仕上げにするフィルタだ。アンシャープマスクフィルタや画像復元のように恒星の周囲に不自然な黒いリングが生じないことも大きなメリットだ。

しかし、パラメータの設定などにはある程度の試行錯誤や慣れが必要だ。「どのように使ったらよいのか」というお問い合せも多く寄せられている。

そこで、スターエンハンスフィルタ考案者の岡野邦彦氏による作例を紹介すると共に、パラメータ設定の秘訣を紹介しよう。

作例

以下は、散光星雲(NGC2070 タランチュラ星雲)や銀河(M106、NGC1945)の画像に対してスターエンハンスフィルタを適用した例だ。画像はどれもクリックするとオリジナルサイズに拡大して表示される。小さい画像ではわかりにくいかもしれないが、恒星が自然な感じで強調されている。

NGC2070

タランチュラ星雲 NGC2070(スターエンハンス処理前と処理後の比較画像)

M106

M106(スターエンハンス処理前と処理後の比較画像)

NGC4945

NGC4945(スターエンハンス処理前と処理後の比較画像)

手順

  1. 画像解像度のダイアログ(拡大)

    [画像]メニューの[画像解像度…]から「画像解像度」ダイアログを開き、画像を400%に拡大する。方法は「バイキュービック」を選択する。

  2. スターエンハンスのダイアログ

    [フィルタ]メニューの[スターエンハンス…]から「スターエンハンス」ダイアログを開く。各パラメータは次のように設定する。

    • 加算係数:3
    • ぼかし範囲:中
    • しきい値:3〜4%
  3. 画像解像度のダイアログ(縮小)

    [画像]メニューの[画像解像度…]から「画像解像度」ダイアログを開き、画像を25%に縮小して元の大きさに戻す。方法は「バイキュービック」を選択する。

以上の手順により、ほとんどの恒星の中心部が飽和し、かつ輝星の大きさは変わらないという結果を得ることができる。

なお、作例の最後にあるNGC4945については、L画像にのみスターエンハンスフィルタを適用した後、LRGB合成を行なっている。具体的な手順は次のとおりだ。

  1. [画像]メニューの[複製…]を実行し、元のカラー画像(Aとする)の複製(Bとする)を作成する。

  2. B画像に対して、[画像]メニューの[モノクロモード]を実行し、B画像をグレイスケールに変換する。

  3. 変換されたB画像に対して、スターエンハンスフィルタを適用する。パラメータは先に説明したとおりである。

  4. LRGB/WCMY合成のダイアログ

    [合成]メニューの[LRGB/WCMY合成…]から「LRGB/WCMY合成」ダイアログを開く。

    L画像として、スターエンハンスフィルタを適用したB画像を、RGB画像として、元のA画像を選択する。

    [OK]ボタンを押すと合成が行なわれる。

作例やパラメータを参考に、ぜひスターエンハンスフィルタを試し、その便利さや美しさを実感していただきたい。

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