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星ナビ機材セレクション

「ライトブリッジ ドブソニアン 10インチDX(25cm)」

「ライトブリッジ ドブソニアン 12インチDX(30cm)」

※販売を終了しました。

星ナビ 2006年6月号

レポート/川村 晶+編集部
モデル/一星昌利

2006年6月21日

組み立て簡単、わずか3分で完成

ライトブリッジ12インチDXの光学系は、口径304.8mm、焦点距離1524mm、F5という仕様だ。標準付属となるSW26mmアイピースでの倍率は59倍、見かけ視界70度、実視界1.2度ほどになる。接眼部は2インチサイズ対応のクレイフォード式である。また、レッドドットファインダーは、簡単に着脱できるように脚部の取り付け部がアリガタ・アリミゾとなっている。

全体的なカラーリングは、白を基調としたものだ。最大の特徴は、6本のアルミパイプで接眼部や斜鏡が取り付けられている斜鏡側鏡筒と、主鏡やセルを収めた主鏡側鏡筒を連結したトラス構造の鏡筒だろう。

鏡筒は、トラスを構成しているアルミパイプを取り外すことで分割でき、運搬や収納が容易になっている。一般的な口径30cmのニュートン反射ともなれば、そう簡単には持ち運びできない大きさ、重さになる。したがって、鏡筒がいくつかに分割できれば、機動力は高まるが、組み立てに時間がかかるようでは、そのメリットは激減してしまう。そこで、簡単に組み立てられるような仕組みが採用されている。

実際の鏡筒の組み立ては、最初に架台へ主鏡側鏡筒を載せてから行うのがよいだろう。鏡筒を組み立ててからでは、鏡筒そのものを持ち上げるのがたいへんだ。主鏡側鏡筒には、垂直軸となるアルミ合金製で、直径160mmの耳軸があらかじめ固定されている。この耳軸を半円形に切り取られた架台の両側板に落とし込むだけで、垂直軸としている。

最後にレッドドットファインダーとアイピースを付ければ、ドブソニアンの完成となる。実際に車からパーツ一式を降ろしつつ、ひとりで組み立ててみたが、所要時間はわずかに3分程度だった。

気になるのは、やはり分割、組み立てごとの光軸の再現性である。組み立てごとに光軸が大きくずれてしまうようでは、簡単に組み立てが可能でも、あまり意味がない。主鏡側鏡筒の耳軸と接眼部の位置関係をあえて変えることはないと思われるが、トラスとなる6本のアルミパイプの取り付け位置の組み合わせは6通りもある。したがって、光軸の再現性を期待するなら、必ず同じ位置に同じアルミパイプを取り付けて組み立てられるように、カラーシールや油性のペンなどで、アルミパイプ先端と鏡筒側の取り付け部分にマークを付けておくとよいだろう。レーザーコリメーターで確認したが、常に同じ位置に同じアルミパイプを配置して組み立てた方が、アルミパイプをランダムに入れ替えてしまうよりも光軸の再現性は良好だった。


主鏡カバー

主鏡には、ポリバケツのフタのようなカバーが付属している。踏みつければ簡単に割れてしまいそうな素材だが、運搬や収納時のホコリよけ、晴れ待ちの露対策などに有効だ。安価なドブソニアンといえども、このようなパーツの付属で満足感は格段にアップする。ちなみに、残念ながら斜鏡にはカバーはない。


レッドドットファインダー

ライトブリッジ12インチDXに付属するレッドドットファインダー。その名のとおり、後方から素通しの窓をのぞき込むと夜空の中に赤い光のパターンが見え、これを目印に天体を導入する。光軸調整の機能も組み込まれていて、パターンは小さな円や円と十字の組み合わせなど4通りから選択可能。明るさも10段階に可変できるが、実際の使用ではもっと暗くしたいと感じた。さすがに口径30cmのドブソニアンでは、素通しファインダーよりも倍率の高い光学ファインダーが欲しくなる。