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星ナビ機材セレクション

「ライトブリッジ ドブソニアン 10インチDX(25cm)」

「ライトブリッジ ドブソニアン 12インチDX(30cm)」

※販売を終了しました。

星ナビ 2006年6月号

レポート/川村 晶+編集部
モデル/一星昌利

2006年6月21日

操作性のきわめて良好な架台部

鏡筒を載せている架台部は、主に白いパーティクルボード製で、ボードの切断面には黒いテープでの化粧がされている。耳軸を載せる両側板には、ライトブリッジのロゴ、両側板をつなぐ板にもミードのロゴが印刷され、デザイン上のアクセントとなっている。

また、耳軸を支える側板の一面には、アメリカンサイズアイピース4本を差し込んでおけるホルダー(内1本は2インチサイズ)も装備されている。

鏡筒は、前述のように簡単に分割できるため、ユーザーへは鏡筒を分割したコンポーネントとして緩衝材とともに段ボール箱に梱包された状態で届く。一方、架台部は組み立てていない板の状態のままで梱包されている。架台部の組み立ては、基本的にネジ留めだけなので、組み立て式の本棚が作れる人なら、何の心配もいらないだろう。一度組み立ててしまうとそれなりに体積のあるユニットになってしまうが、木ネジでの接合部分の耐久性を考えると、分解せずにこのままの形で運ぶことになる。

この架台部で特筆すべきは、水平回転軸の構造となめらかさだ。こうしたスタイルの架台では、地面に設置する板の上に垂直軸を載せることになるが、その間には、滑りをよくするためにテフロン片が貼り付けられたり、いわゆるテレビ回転台などに用いられるスラストタイプのロータリーテーブルベアリングが挟み込まれていることが多い。ライトブリッジ12インチDXでも、直径32cmの簡易的なロータリーテーブルベアリングが使用されているが、薄い鋼板でロータリーテーブルベアリングを挟み、回転のなめらかさと耐久性を向上させている。また、回転軸には、ハンドル付のネジが使用されているが、ハンドル直下にワッシャを介してスラストベアリングが挟み込まれている。

これらのふたつのベアリングによって、水平回転は実用十分ななめらかさを得ている。回転軸となっているネジの締め付け加減によって回転の堅さの調整も可能だが、ネジをゆるめると風を受けて望遠鏡そのものが軽く回転してしまうほどだ。

一方、垂直軸は、前述したが鏡筒に組み付けられた耳軸を、半円形に切り取られた架台の両側板に落とし込む構造だ。耳軸の受け側となる部分には、フェルトが貼られているだけだが、回転はひじょうになめらかである。鏡筒前後のバランスもよく、付属のSW26mmアイピースでの観望では特に問題ないチューニングになっている。

組み上げたライトブリッジ12インチDXは、水平回転軸のネジの締めつけの調整は必要だが、鏡筒を手で押したり引いたりするだけで、簡単に動き、手を離すとその場でピタッと静止するので、操作感はきわめて良好という印象だ。

斜鏡

斜鏡短径は70mmで、セルはプラスチック製のようだが、斜鏡の側面まできちんと覆うタイプ。斜鏡はセル先端の金属製のツメで固定されている。斜鏡の中央遮蔽率(直径比)は、およそ23パーセントと小さめである。支持金具は、4本スパイダーで、厚みは0.6mmほどの金属板を用いたVANE型だ。光軸調整機構は、一般的なセンター引きと3本の押しネジ方式である。


耳軸とアイピースホルダー

耳軸の素材はアルミで、軽量化のための肉抜穴が5個空いている。架台部側板横にはアイピースホルダーも装備されている。


主鏡冷却用電動ファン

主鏡セルは9点フローテーション支持式のシースルータイプ。光軸調整は、エンドリングの底面側から120度間隔で設置されたスプリング付きのネジでセルを引き、調整後にそれぞれのネジの中間に設置されている別の押しネジで固定する方式だ。ネジの頭にはローレット付きのツマミと、マイナスドライバー用のスリ割りも付けられている。さらに、主鏡セルには主鏡冷却用電動ファンも取り付けられている。電源として、単3電池6本用の電池ホルダーも付属する。


主鏡

主鏡は口径304.8mm、厚さはおよそ38mmで、センタリングマーク付き。保持は、主鏡外周の前面三方からゴム製のツメで押さえるオーソドックスなタイプだ。光軸調整は、低倍率での観望なら、レーザーコリメーターを使った簡易的な手法でもじゅうぶんだろう。このクラスのドブソニアンには、レーザーコリメーターは必需品と考えたい。