どんなに数多くの流星が流れても、曇ってしまってはしし座流星群は見えません。流星にかかわらず、星を見に行く時は天気はいつも心配のタネです。
このしし座流星群特集を読んでいる方のなかには、昨年もしし群を見に行かれた方が多いのではないでしょうか? 下の図はその昨年のしし群の日の天気図と気象衛星ひまわりによる雲画像です。昨年は、それまでの好天高温状態が、よりによってしし群の日の午前中に通過した低気圧によっていっきに崩され、強い寒気が流入し西高東低の冬型となったのでした。このため、東北から中国地方のおもに太平洋岸では晴れてしし群がみられましたが、日本海側では天気が悪いところが多かったようです。
ほら、思い出してきましたか? そう、あなたは昨年のしし群のとき、どう気象情報を得て、どう考え、そしてどう行動しましたか? そして、その結果は・・・?
このページではさまざまな情報をもとに、しし群の時期にどこが晴れやすいか、どういう気圧配置が多いか、そして、気象情報のどこを見てどう行動すればよいか、について解説してゆきたいと思います。
● 1998年のしし群の日の天気図と気象衛星ひまわりによる雲画像
左は、これからしし群を見に出かけるぞ、と意気込んで夕方の天気予報を見ていたころの天気図。低気圧の通過直後で晴れ間を読むのがむずかしく、どこに行くかにひじょうに迷ったことが思い出されます。右は、大火球が流れた4時ごろの雲の分布のようす。太平洋側の人工密集地域がちょうど雲の切れ目にかかり、多くの人がしし群を見ることができたのはじつにラッキーでした。
雲画像はすべて、東京大学生産技術研究所高木研究室の Satellite Image Archive for Network より。
目 次
● Part-1 統計的な雲量分布
● Part-2 しし群の日の気圧配置
● Part-3 気圧配置と晴天域の関係 11月29日 天気図UPDATE
● Part-4 観測地決定への道 11月29日 リンク先UPDATE
● Part-5 昨年を例とした実践編
● Part-6 “使える”Web 上の気象情報 11月29日 説明文UPDATE
● Part-7 今年はどうなる? しし群・リニア彗星関連群の日の天気
● Part-8 暫定版 今年のしし群の日の天気はこうだった! 11月29日 雲画像UPDATE
このページは、SKYWATHCR1999年12月号に掲載の記事に情報を追加したものです。