宇宙で羽ばたく蝶
【2014年3月12日 ESA/Hubble】
ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、間もなく完全な惑星状星雲へと進化する天体「ロバーツ22」の画像が公開された。
蝶のような姿をした天体「ロバーツ22」は、りゅうこつ座の方向にある星雲だ。約400年前に死が近づいた中心星が外層を吹き飛ばしはじめたことで、さながらサナギのように変化し、このような姿となった。
現在ロバーツ22は、惑星状星雲になる直前の一時的な段階にある。死にゆく星が外層部の大量の物質を放出してから、高温の残骸の放射で周囲のガス雲が電離され輝きはじめるまでの短い期間である。この天体が一人前の惑星状星雲へと進化するのもそう遠い将来ではないだろう。
ハッブルを用いた観測研究から、重なり合うループや繊維状構造など、この“蝶の羽”に隠された驚くほど複雑なようすが明らかになっている。