探査機「メッセンジャー」、水星3000周回を達成
【2014年4月22日 MESSENGER (1)/(2)】
史上初の水星周回軌道からの観測を行ってきた探査機「メッセンジャー」が、4月20日に3000周目を迎えた。これまでになく低い高度から水星を観測し、その地表を詳しく探っている。
2004年に打ち上げられたNASAの探査機「メッセンジャー」は、金星や水星のフライバイ観測を経て2011年3月に史上初めて水星周回軌道に投入された。1年後の2012年4月に軌道修正を行って高度を下げ、1日3周のペースで水星上空を回りながら観測を行っている。水星地表の組成や環境について、最初の1年で生じた疑問をさらに詳しく調べているところだ。
現在はじょじょに高度が下がる軌道にあり、周回数が3000回を越えた今、もっとも近づく時(近水点)で高度約120kmまで接近する。近距離からは詳しい観測を効率よく行えるので、地形や地表の組成も細かいところまでわかる。地表がどのように形成され変化してきたかについてさらに理解する手がかりを得ることができる。
メッセンジャーは6月17日まで近水点をさらに下げ続ける。地表のようすや重力場、磁場に至るまで、太陽からもっとも近い惑星の姿が1周ごとに明らかにされていくだろう。
水星は4月26日に地球から見て太陽のちょうど向こう側を通過し(外合)、5月25日の東方最大離角前後に夕方の西の空で見ごろを迎える。
メッセンジャーの位置と航路
天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、メッセンジャーやパイオニア10号、「はやぶさ」など主な探査機の設定日時における位置や航路を表示することができます。