【特集】明けの明星 金星(2025年)

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2025年の4月ごろから11月ごろまで、明けの明星の金星が明け方の東の空に見えます。やや低めですが、夜明け空に明るく輝く様子はよく目立ちます。

時おり細い月と並ぶ光景は、とくに美しい眺めです。また、8月中旬に木星と大接近する現象なども見ものです。早起きして観察しましょう。

金星を見つけよう

明けの明星

2025年の春から秋まで、金星は「明けの明星」として見えます。明け方の東の空でひときわ明るく輝いているので、一目でそれとわかります。

見やすい時期は、日の出45分前の高度が10度より高くなる4月中旬から10月中旬まででしょう。見かけ上で太陽から最も離れる「西方最大離角」を迎えるのは6月1日ですが、日の出前の高度が最も高くなるのは7月下旬で、日の出45分前の高度は約25度になります(高度のデータはすべて東京の場合)。

2025年3月から11月までの、明け方(日の出45分前)の金星の見え方。場所の設定は東京。囲み内は金星の拡大像(正立像)(ステラナビゲータでシミュレーション)。
[YouTube]

2025年3月から2026年3月までの、太陽系内の地球と金星の動き(ステラナビゲータでシミュレーション)。

形が変わる金星

地球・金星・太陽の位置関係により、金星は月のように大きく満ち欠けして見えます。また、月と異なり、金星は見かけの直径も大きく変化します。形や大きさの変化は肉眼ではわかりませんが、倍率が高めの双眼鏡や天体望遠鏡で見るとよくわかります。

» 天体写真ギャラリー「金星」 【2025年】 【2024年】 【2023年】

金星の見え方の変化(2024年12月~2025年3月)

2024年12月から2025年3月までの金星(宵の明星)の見え方の変化(撮影:T-HASHIGUCHIさん)。画像クリックで表示拡大、撮影者名クリックで天体写真ギャラリー(3月撮影分)のページへ。形と直径が大きく変わる様子がわかる。明けの明星のときには「細く大きい」状態から「丸く小さい」状態へと変化していく。

金星に関する現象カレンダー:
細い月と共演/木星や1等星と接近

およそ1か月に1回くらいの頻度で、金星と細い月が並んで見えることがあります。金星の輝きはそれだけでも美しいものですが、地球照(地球で反射した太陽光に照らされ、月の暗い側がうっすら見える現象)を伴った幻想的な細い月と金星が明け方の空に並ぶ光景は、さらに見事な眺めとなります。金星と月の共演は肉眼でもよく見えますが、双眼鏡があるといっそう美しさが際立って感じられることでしょう。

また、金星と木星(8月上旬~中旬)や1等星、星団などとの接近も起こります。最接近のタイミングだけでなく、その前後の日で並び方が変化していく様子も楽しみです。

地上風景も入れた写真撮影にも、ぜひ挑戦してみてください。空の色や雲の形などは刻一刻と変わっていきます。シャッターチャンスを逃さず、共演を記録してみましょう。

星図(4月25日、細い月と金星が並ぶ)

4月25日の未明~明け方、細い月と金星が並ぶ(» 解説)。土星も近い。画像クリックで表示拡大(ステラナビゲータLiteで星図作成)。

日付 現象備考
4月10日 留(りゅう)この日を境に、天球上を西→東に動く(順行する)ようになる
4月25日 細い月(月齢26)と並ぶ
» 解説
未明~明け方
4月27日 最大光度-4.8等級
4月下旬
~5月上旬
土星と接近
» 解説
未明~明け方
最接近4月29日ごろ
4月下旬
~5月上旬
海王星と接近明け方
最接近5月4日ごろ
約13等級差
5月24日 細い月(月齢26)と並ぶ未明~明け方
6月 1日 西方最大離角45.9°
6月22日 細い月(月齢26)とやや離れて並ぶ未明~明け方
7月上旬 天王星と接近未明~明け方
最接近5日ごろ
約10等級差
7月上旬 おうし座の散開星団M45プレアデス星団と並ぶ未明~明け方
最接近5日ごろ
7月上旬
~中旬
おうし座の散開星団Mel 25ヒヤデス星団と接近未明~明け方
最接近13日ごろ
7月上旬 おうし座の1等星アルデバランと接近未明~明け方
最接近14日ごろ
7月 22日 細い月(月齢26)と並ぶ未明~明け方
7月下旬 おうし座の3等星ティエングァンと超大接近未明~明け方
最接近27日ごろ
7月下旬
~8月上旬
ふたご座の散開星団M35と接近未明~明け方
最接近8月3日ごろ
7月下旬
~8月上旬
ふたご座の3等星プロプスと大接近未明~明け方
最接近8月4日ごろ
8月上旬 ふたご座の3等星テジャトと大接近未明~明け方
最接近5日ごろ
8月上旬
~中旬
木星と大接近未明~明け方
最接近12日ごろ
8月20日 細い月(月齢26)とやや離れて並ぶ未明~明け方
8月 21日 細い月(月齢27)と接近未明~明け方
8月下旬
~9月上旬
かに座の散開星団M44プレセペ星団と大接近未明~明け方
最接近9月1日ごろ
9月19日 細い月(月齢27)とやや離れて並ぶ未明~明け方/ヨーロッパ、北アフリカなどで金星食(日本時間21時ごろ)
9月中旬
~下旬
しし座の1等星レグルスと大接近未明~明け方
最接近20日ごろ
9月20日 細い月(月齢28)と接近未明~明け方
10月19日 細い月(月齢27)とやや離れて並ぶ未明~明け方
10月20日 細い月(月齢28)と接近明け方
10月下旬
~11月上旬
おとめ座の1等星スピカと接近明け方
最接近11月2日ごろ
11月19日 細い月(月齢28)と並ぶ明け方
1月 6日 外合太陽と同じ方向(太陽の向こう側)になる(見えない)
日付は赤道座標系(黄道座標系では7日)
(過去の現象)
3月21日 内合太陽と同じ方向(地球と太陽の間)になる(見えない)
日付は赤道座標系(黄道座標系では23日)

金星は2026年1月上旬に外合となり、太陽と同じ方向(地球から見て太陽の向こう側)に位置するので見えなくなります。その後は3月中旬ごろから、夕方の西天に「宵の明星」として見えるようになります。

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星空ナビ

無料モバイルアプリ「星空ナビ」は、スマートフォンを空にかざすだけで、その先にある天体の情報を教えてくれます。ナビゲーション機能を使えば天体の正確な位置を星空ナビが案内します。

近いうちに起こる天文現象のお知らせや最新の天文ニュースも届きます。金星を見るだけでなく、探査や研究のニュースを通じて詳しく知ることでも楽しめます。また、1年間の天文情報をいつでも見られるなどの特典が得られる有料プランもあります。

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iOS/Android用
「星空ナビ」

星空ナビ

iステラ・スマートステラシリーズ

iOS用の「iステラ」「iステラ HD」、アンドロイド用の「スマートステラ」も、端末の向きに連動して星図を表示するので、金星の位置や周りの星の名前などが簡単にわかります。コンパス連動によって建物の陰になっていても方向がわかるので、街中でも位置の見当をつけることができます。

さらに、星図の日時や場所を変更して、月や木星などとの接近の様子をシミュレーションすることもできます。

iステラでのシミュレーション

iステラで明けの明星の見え方をシミュレーション。画像クリックで表示拡大。