今月は明るく見やすい食(掩蔽)現象が3回も起こる。8日の宵に土星食、14日の未明にプレアデス星団食(すばる食)、そして25日の未明にスピカ食だ。拡大して見るには天体望遠鏡が必要だが、双眼鏡や肉眼でも大接近の様子は楽しめる。また、インターネット中継で各地の見え方の違いを比べるのも面白そうだ。例年であれば12月はふたご座流星群が最も楽しみな天文現象だが、今年は「美(味)しい食」を味わいたい。
宵空では木星が圧倒的な明るさで輝き、ただでさえ華やかな冬の星空が輪をかけてにぎやかになっている。また、来月に地球と最接近する火星もマイナス等級まで明るくなり、存在感がいっそう増している。望遠鏡での観察や撮影も楽しもう。
冬の代表的な星座が見やすくなってくると、どうしても初冬の星座への注目が薄れがちだ。ペルセウス座、おひつじ座、くじら座などにも、忘れず目を向けてほしい。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
3日 | ごろ | 火星とプレセペ星団が接近 |
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5日 | (木) | 細い月と金星が接近 |
8日 | (日) | 木星がおうし座で衝 |
8日 | (日) | 土星食/月と土星が大接近 |
9日 | (月) | 海王星食 |
14日 | (土) | プレアデス星団食 |
14日 | (土) | ふたご座流星群が極大 |
18日 | (水) | 月と火星が接近 |
22日 | (日) | こぐま座流星群が極大 |
25日 | (水) | スピカ食 |
25日 | (水) | 水星が西方最大離角 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
水星
- 上旬:見えない
- 中旬:未明~明け方 0.5等
- 下旬:未明~明け方 -0.3等
- 6日:内合
- 16日:留
- 24日ごろ:アンタレスと並ぶ
- 25日:西方最大離角
金星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~宵 -4.2等
- 中旬:夕方~宵 -4.2等
- 下旬:夕方~宵 -4.3等
- 4日夕方~宵:細い月とやや離れて並ぶ
- 5日夕方~宵:細い月と接近
- 7日ごろ:準惑星ケレス(9.2等)と接近
- 28日ごろ:やぎ座δ星デネブアルゲディ(2.9等)と大接近
火星(▶ 特集ページ)
- 上旬:宵~明け方 -0.6等
- 中旬:宵~明け方 -0.8等
- 下旬:宵~明け方 -1.0等
- 3日ごろ:かに座の散開星団M44プレセペ星団と接近
- 8日:留
- 18日宵~19日明け方:月と接近
木星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~明け方 -2.8等
- 中旬:夕方~未明 -2.8等
- 下旬:夕方~未明 -2.8等
- 8日:衝(おうし座)
- 14日宵~15日明け方:月と並ぶ
土星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~深夜 1.0等
- 中旬:夕方~深夜 1.0等
- 下旬:夕方~宵 1.0等
天王星
- 上旬:夕方~未明 5.6等
- 中旬:夕方~未明 5.6等
- 下旬:夕方~未明 5.6等
海王星
- 上旬:夕方~深夜 7.9等
- 中旬:夕方~深夜 7.9等
- 下旬:夕方~深夜 7.9等
- 8日:留
- 9日宵:海王星食
- 19日:東矩(みずがめ座)
主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
- 上旬:夕方~宵 10等
- 中旬:夕方~宵 10等
小惑星ベスタ(4)
- 上旬:未明~明け方 8等
- 中旬:未明~明け方 8等
- 下旬:未明~明け方 8等
小惑星エウノミア(15)
- 上旬:宵~明け方 8等
- 中旬:夕方~明け方 8等
- 下旬:夕方~未明 8等
- 4日ごろ:ぎょしゃ座の散開星団M36と大接近
- 8日ごろ:ぎょしゃ座の散開星団M38と大接近
- 18日ごろ:ぎょしゃ座の散光星雲IC 405勾玉星雲と大接近
- 22日ごろ:おうし座β星エルナト(1.7等)と接近