11年ぶり、最強クラスの太陽フレアが発生

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日本時間9月6日、大規模な太陽フレアが2度にわたり発生した。とくに21時ごろのフレアは11年ぶりとなる最強クラスのフレアで、この現象に伴う太陽風の乱れが8日の夜ごろ地球に到来すると予測されている。

【2017年9月7日 NASA宇宙天気ニュース情報通信研究機構

9月6日18時ごろ(日本時間、以下同)、太陽表面の南西の活動領域(黒点群)2673で大規模フレアが発生した。太陽フレアの強度はピーク時のX線強度によって弱い方からA、B、C、M、Xに分類されるが、このフレアの強度はX2.2で、2015年5月5日以来2年4か月ぶりのXクラスのフレアだった。

さらに同夜21時ごろ、同領域でいっそう激しいX9.3の大規模フレアが発生した。最強であるXクラスのフレア強度が9以上に達したのは、2006年12月5日以来11年ぶりである。

X9.3の大規模フレア
太陽観測衛星「SDO」がとらえたX9.3の大規模フレア(右下の明るい部分)(提供:NASA/GSFC/SDO)

太陽活動は約11年の周期で変動しており、2008年12月に始まった現在の活動サイクルのなかで太陽は極小期に向かっている。こうした時期に太陽の表面で今回発生したような大規模な爆発現象が起こることは珍しいが、長い歴史という観点から見ればじゅうぶんあり得る現象だ。

21時ごろのX9.3フレアに伴い「コロナ質量放出(CME)」も起こった。CMEは太陽磁場のエネルギーが突然解放され大量のプラズマ塊が放出される爆発的な現象で、莫大な量の荷電粒子やエネルギーが地球へ到達すると磁気嵐が起こり、人工衛星やその観測機器が影響を受けたり、地球上でも通信障害が発生したりすることがある。

コロナ質量放出
太陽観測衛星「SOHO」がとらえた、X9.3フレアに伴うコロナ質量放出(右下)。太陽は白丸のところにあり、コロナが見やすいようにコロナグラフで隠されている(提供:SOHO (ESA & NASA))

今回発生したCMEは地球の方向にも向かっているとみられている。CMEによる太陽風の乱れは8日の夜ごろに地球に到来すると予測されており、地球の磁場が乱され磁気嵐が発達したりオーロラの活動が活発になったりする可能性がある。

活動領域2673
9月5日に撮影された活動領域2673(撮影:masa-nakamuraさん。画像クリックで投稿画像ギャラリーのページへ)

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