観測史上初の恒星間天体、名前は「ʻOumuamua」

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先月発見された観測史上初の恒星間天体に「ʻOumuamua」という名前が付けられた。

【2017年11月7日 MPC

先月19日に米・ハワイのパンスターズ望遠鏡による観測で発見された小天体は、軌道計算の結果から、観測史上初の恒星間天体とみられている天体だ。現在はペガスス座の方向に向かって高速で移動中で、二度と太陽系に戻ってくることはない。

この小天体には最初、彗星を表す「C/2017 U1」という符号が付けられていたが(Cは「太陽を周期的に公転しない彗星」を表す)、彗星活動が見られないことから「A/2017 U1」に符号が改められていた(Aは「小惑星」を表す)。これらの符号のほか、現行の小天体の命名規則では、天体が彗星であれば発見者(あるいは天文台やプロジェクト)の名前が付けられ、小惑星であれば一定以上の回数の観測が行われた後に発見者に命名権が与えられ、国際天文学連合の小天体命名委員会が承認することになっている。

この規則どおりであれば、今回発見された小天体は現時点では観測数が少ない(観測期間が短い)ため名前を付けることはできないが、天体の特異性などが考慮された結果、委員会内などで検討が行われ、恒星間天体の符号の規則やこの天体の名前が決定された。

まず、恒星間天体の符号についてはinterstellar(恒星間)の頭文字を使用し「I」が用いられることになり、通し番号が付けられることになった。周期彗星の名前には153P/Ikeya-Zhang(池谷・張彗星)のように数字と「P」が用いられるが、これと同様だ。この点で、新発見の小天体の符号は「1I(いち・あい)」や「1I/2017 U1」となる(恒星間天体と判明するまでは、従来どおりCやAが用いられる)。

さらに、1Iには「ʻOumuamua」という名前も命名された。パンスターズ計画の研究チームにより選ばれたこの名前はハワイ語に由来するもので、「ʻou」は「手を伸ばす、手を差し出す」、「mua」は「最初の、より前に」という意味だ(2つ繰り返しているのは強調のため)。「長い時間をかけて太陽系外から私たちのところにやってきたメッセンジャー」という意味が込められた名前である。

ʻOumuamuaの軌道
11月7日現在のʻOumuamuaの位置と軌道。地球からは1.3億km、太陽からは2.5億km離れ、すでに火星軌道より外にある(「ステラナビゲータ」で星図作成)

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