【レポート】天文講習会「日食写真の画像処理入門講座」を開催
【2017年11月30日 アストロアーツ】
天体写真家の塩田和生氏による「日食写真の画像処理入門講座」が、東京・池袋の池袋コミュニティ・カレッジで11月18日(土)に行われました。
今年8月21日にアメリカを横断する皆既日食があり、日食前の6月25日には、観測ツアーに参加する日食ファン向けに「8月21日の皆既日食を撮る 日食撮影入門」の講座を開催しました。今回の講座は、皆既日食の撮影に成功したファンのなかで、日食写真をうまく処理できなかったり画像処理方法がわからなかったりという方を対象にした内容です。
講座は星ナビ2017年11月号と12月号に掲載された特集「日食を撮る 日食写真の画像処理」を教材にしました。処理方法の解説前にまず、コロナの特徴と処理の基礎知識として、明るい内部コロナから暗い外部コロナまで同時に観察できる人間の眼の特性について解説がありました。次に、コロナの微細な構造を再現する画像処理の原理を紹介し、ステライメージ8に新たに搭載された「回転アンシャープマスク」機能を使って、肉眼や双眼鏡で見られるコロナの流線構造を抽出する処理を実演しました。受講者のほとんどはすでにこの機能を使っていたようですが、改めて解説で回転アンシャープマスクの意味を理解できたようです。
さらに、ピンク色のプロミネンスとコロナの流線構造を同時に再現するために、塩田氏が試行錯誤して思いついたという「3色分解で得られるGチャンネル画像を使う方式」に、受講者は興味津々でした。
日食ファンはすでに次の皆既日食に目が向いているようです。次回の皆既日食は2019年7月2日(現地時間)に南米チリ、アルゼンチンで見られます。
2017年の「天文講習会」の開催は終了しました。
2018年の講習会の開催は未定ですが、アンケートでいただいた要望などを検討し、役立つ講座を行う予定です。開催日が決まりましたらお知らせいたします。
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