2026年から2027年の土星は9月~1月ごろが観察の好期です。明るいので街中でも簡単に見つけられます。
天体望遠鏡で環を観察したり、衛星タイタンを探したりしてみましょう。
目次
土星を見つけよう
明るい黄白色の星
2026年から2027年の土星は「うお座」と「くじら座」の境界あたりにあります。0~1等級と明るく、街中でも肉眼で見ることができます。近くには他に明るい星がないので、見間違える心配はありませんが、不安なときにはモバイルアプリ「星空ナビ」などで確かめましょう。
今シーズンの土星は7月28日から12月12日までが逆行期間で、この間の10月5日にくじら座の領域で衝を迎えます。宵空で見やすいのは9~1月ごろでしょう。
2026年7月中旬 2時の空(東京)。画像クリックで表示拡大(ステラナビゲータで星図作成)。
(2026年7月(2時)/8月(1時))
土星に関する現象カレンダー
2026年7月~2027年3月ごろに起こる、土星と月との接近などは、以下のとおりです。月との接近は、やや間隔は大きくなりますが前後の日にも見ることができます。
7月7日の深夜~8日の明け方、下弦の半月と土星が並ぶ。画像クリックで表示拡大(ステラナビゲータLiteで星図作成)。
| 日付 | 現象 | 備考 |
|---|---|---|
| 7月 5日 | 西矩(せいく) | 太陽から90度西に離れる(深夜に昇り、日の出のころ南に見える) 日付は赤道座標系(黄道座標系では6日) |
| 7月 7日 | 月(月齢22/23)と並ぶ | 深夜~翌8日明け方 |
| 7月28日 | 留(りゅう) | この日を境に、天球上を東→西に動く(逆行する)ようになる |
| 8月 3日 | 月(月齢20)と並ぶ | 深夜~翌4日明け方 |
| 9月27日 | 月(月齢27)と並ぶ | 夕方~深夜 |
| 10月 5日 | 衝(しょう) | 太陽の反対に来る(日の入りのころ昇り、深夜に南に見え、日の出のころ沈む) 日付は赤道座標系(黄道座標系では4日) |
| 10月24日 | 月(月齢14)と並ぶ | 夕方~翌25日未明 |
| 11月21日 | 月(月齢11)と並ぶ | 未明 |
| 11月上旬 ~1月上旬 |
海王星と並ぶ | 夕方~未明/最接近12月11日ごろ |
| 12月12日 | 留(りゅう) | この日を境に、天球上を西→東に動く(順行する)ようになる |
| 12月18日 | 月(月齢9)と並ぶ | 夕方~宵 |
| 12月29日 | 東矩(とうく) | 太陽から90度東に離れる(日の入りのころ南に見え、深夜に沈む) 日付は赤道座標系(黄道座標系では30日) |
| 1月14日 | 月(月齢6/7)と並ぶ | 夕方~深夜 |
| 3月10日 | 細い月(月齢2)と並ぶ | 夕方~宵 |
| 4月 9日 | 合 | 太陽と同じ方向に来る(見えない) 日付は赤道座標系(黄道座標系では8日) |
| (過去の現象) | ||
土星は2027年3月中旬以降、太陽に近づいて見えにくくなり、4月上旬に合(太陽と同じ方向になること)を迎えて見えなくなります。明け方の東の空に見えるようになるのは5月下旬ごろからです。
モバイルアプリを活用
木星も見よう
1月ごろから木星も見やすくなります。惑星ウォッチングを楽しみましょう。
望遠鏡で環を見よう
土星の環を見るためには天体望遠鏡が必要ですが、それほど大口径のものや高い倍率でなくても大丈夫です。双眼鏡でも、手振れを抑えれば「真ん丸ではなく、何となく楕円っぽく見える」ことはわかるでしょう。手持ちの道具があれば、まずそれを土星に向けてみてください。
公開天文台や科学館などで開催される観望会(観察会、観測会)では、大きい望遠鏡で土星を見ることができ、環の中にある「カッシーニの間隙」と呼ばれる隙間や、8等級の衛星「タイタン」も見えてきます。お近くのイベント情報は、全国プラネタリウム&公開天文台情報ページ「パオナビ」で検索してみてください。
変化する環の見え方
土星は地球と同様に傾いた状態で公転しているため、土星の赤道面上に広がっている環の見え方(見かけ上の太さ)は、年々変化します。
2017年5月に土星の北半球が夏至を迎え、土星の北側が最も地球(太陽)の方向に傾いたため、環が太く見えていました。それ以降、環の見え方はどんどん細くなっていき、2025年の春に環が見えなくなる「環の消失」現象が起こりました。
今シーズンからは環の傾きが少しずつ大きくなっていくので、数年ぶりに土星らしい姿を楽しむことができそうです。もっとも環が太く見えるようになる2032年まで長期にわたって、見え方の変化を追ってみましょう。
1995年から2025年までの環の見え方の変化(撮影:mtajimaさん)。画像クリックで表示拡大、撮影者名クリックで天体写真ギャラリーのページへ。1995年に環が消失→2002年に(南側に)傾き最大→2009年に環が消失→2017年に(北側に)傾き最大→2025年に環が消失、という変化がわかる(南が上)。
土星を撮影してみよう
カラーCMOSカメラを天体望遠鏡に接続して惑星を動画撮影し、その中から写りの良いフレームだけを選んで多数枚コンポジットすると、精緻で滑らかな惑星像を得ることができます。天体画像処理ソフトウェア「ステライメージ」を使うと、動画からのコンポジットはもちろん、カラーバランス調整やディテール強調まで簡単かつ詳細に行えます。画像を「作品」に仕上げてみましょう。
オンラインショップ
アストロアーツのオンラインショップでは、天体望遠鏡などを多数取り扱っています。環を自分の目で観察してみましょう。ライトやクッションなどの便利グッズ、太陽系のことが詳しくわかる書籍などもあります。
土星に関するマメ知識
土星は大きさ(環を含まない、赤道部分の直径)が地球の約9倍ある、木星に次いで太陽系で2番目に大きい巨大ガス惑星です。太陽からおよそ14億km離れており(太陽~地球の約10倍)、30年かけて公転しています。
表面には木星と同様に縞模様が見られます。また、北極域には六角形の不思議な模様が存在しています。
環
土星最大の特徴といえば「環」でしょう。環は主に、直径数cmから数mの氷の粒が同心円状に集まってできていて、ところどころに隙間が見られます。幅(明瞭な部分)は土星本体の約2.3倍のところまで広がっていますが、厚みはせいぜい数十mほどしかありません。
探査機カッシーニが撮影した土星の環。画像クリックでリリース元ページへ(クレジット:NASA / JPL / Space Science Institute、以下同)。
「星ナビ」2021年10月号で土星の環を8ページ特集。観測や探査の歴史、形成のメカニズムなどについて解説。
衛星
土星には290個以上の衛星が見つかっています(2026年7月時点)。この数は2位の木星(約110個)に大差をつけての圧倒的なトップです。土星の衛星の大半は直径数km程度の小さい天体とみられていますが、なかには数百km~1000km以上の大型衛星もあります。そのうちとくに興味深いのは、タイタンとエンケラドスです。
タイタンは土星最大の衛星です。太陽系全体では木星の衛星ガニメデに次ぐ2番目の大きさで、どちらも惑星である水星よりも大きな天体です。メタンの雨が降り、表面に液体のメタンやエタンの川や湖が存在しています。また、窒素を主成分とする厚い大気を持っています。
エンケラドスでは、地下から水蒸気が間欠泉のように噴き出している現象がとらえられており、地下に液体の水が存在すると考えられています。
探査機カッシーニ
土星探査機「カッシーニ」は2004年から2017年までの13年間、土星の大気や模様、環の構造、衛星の特徴などを詳しく調べました。前述したタイタンやエンケラドスに関する発見など科学的な成果だけでなく、数々の美しい画像も私たちに届けてくれました。多数の衛星が環や本体の細かい模様と共に写し出されるのは、土星の近くを飛び回る探査機の視点ならではです。
カッシーニの探査のハイライト(クレジット:NASA / Jet Propulsion Laboratory-Caltech)。






































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