木星氷衛星探査機「ジュース」、2回目の地球スイングバイを完了

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9月28日、木星氷衛星探査機「ジュース」がインド洋上空8640kmの高度を通過し、2回目の地球スイングバイを完了した。

【2026年9月29日 ヨーロッパ宇宙機関】

9月28日20時45分(日本時間)、木星氷衛星探査機「ジュース(JUICE)」がインド洋上空8640kmの高度を秒速13.1kmで通過し、2024年の1回目に続いて2回目の地球スイングバイを完了した。今回のスイングバイによりジュースの進行方向が20°曲げられ、探査機の速度が秒速約3.5km増加した。

地球スイングバイの経路
地球スイングバイの経路。黄色の区間は搭載機器の稼働期間(9月23日~10月3日)を表す。画像クリックで表示拡大(提供:ESA)

ジュースが撮影した地球
(上)モニタリングカメラ(JMC1)が28日20時58分(地球最接近の13分後)に撮影した地球。アフリカ大陸付近が写っている(提供:ESA/Juice/JMC)
(下)ナビゲーションカメラ(NavCam)が28日20時47分(地球最接近の2分後)に撮影したマダガスカル島の一部(提供:ESA/Juice/NavCam)

「スイングバイには、リアルタイムの超高精度ナビゲーションが必要でした。綿密な計画のおかげで、このスイングバイ用に確保していた推進剤をわずかしか消費せずに済み、木星系到着後に行う衛星の探査に使える推進剤が増えました」(ヨーロッパ宇宙機関 ジュース探査機運用マネージャー Angela Dietzさん)。

今回のスイングバイの主目的は探査機の軌道を修正することだが、搭載されている観測機器を宇宙空間で試験的に稼働させる機会でもあった。これまでに、2024年の月・地球スイングバイ時と2025年11月のアトラス彗星(3I/ATLAS)の観測時にも試験稼働が実施され、今回が3回目となる。

今回のスイングバイ時には、10個の観測機器全てが稼働した。ジュースは数日間にわたって地球の磁気圏尾部(磁気圏が太陽と反対側に長く引き伸ばされた領域)を飛行しながら磁場や荷電粒子を測定したほか、科学観測用カメラ「JANUS」で月と地球の高解像度画像も撮影した。観測機器の開発や運用には日本もハードウェアの提供や共同研究で参加している。

今後ジュースは2029年1月に最後の地球スイングバイを実施して木星系へ向かう最終的な軌道へ入り、2031年7月に木星へ到着する。その後、木星周回軌道上からガニメデ、カリスト、エウロパへのフライバイを行ってそれぞれを観測した後、2034年12月にガニメデの周回軌道に入り、世界で初めて氷衛星を周回する探査機として2035年9月までの約9か月間観測を行う。

打ち上げからガニメデ周回軌道投入までの旅
ジュースの打ち上げからガニメデ周回軌道投入までの旅。画像クリックで表示拡大(提供:ESA)