宇宙ステーション「ミール」拡大撮影画像集

【2001年3月15日 アストロアーツ】

指令落下・廃棄が迫るロシアの宇宙ステーション「ミール」を望遠鏡で拡大撮影し、その構造をとらえた画像がいくつか発表されているので、紹介する。


富山市天文台撮影のミール 2001年3月12日 18時44分ごろ
撮影/富山市天文台
  • 口径1.0m望遠鏡
  • カラーCCDビデオカメラ

富山市天文台の1.0m望遠鏡は、アメリカ・コントラベス社製で、大型望遠鏡としては珍しく人工衛星の追尾能力を備える。

富山市天文台によると、このときミールは天文台の真上付近を通過したため、天文台からミールまでの距離が近く、構造をこれほどはっきりととらえることができたという。肉眼では木星ほどの明るさに見えたということだ。

富山市天文台のウェブサイトに動画クリップが掲載されているので、ぜひ訪れてほしい。


銀河の森天文台撮影のミール 2001年3月11日 17時22分8秒
撮影/銀河の森天文台 (りくべつ宇宙地球科学館)
  • 口径115cm「りくり」望遠鏡 (焦点距離=8800mm)
  • 日立製 高感度カラー3CCDビデオカメラ

「りくり」望遠鏡は、富山市天文台の望遠鏡と同じくアメリカ・コントラベス社製で、人工衛星の追尾能力を備える。日本の公共天文台で、人工衛星の追尾能力を持つ大型望遠鏡を備えるのは、富山市天文台と銀河の森天文台だけだ。

人工天体の撮影においては、シーイング (大気のゆらぎ) や撮影対象の人工天体の通過コース (撮影地点から人工天体までの距離) が大きく影響してくるため、優れた望遠鏡であっても、会心の画像を得るためには、運と、何より何度も挑戦する粘りが必要となる。

残念ながら、ミールを日本の夕空に見るチャンスはもう無い。しかし、明るいミールは、視野内に導入することさえできれば昼間でも拡大撮影は可能であるため、銀河の森天文台では、今後も精力的にミールを撮影していきたいという。

銀河の森天文台のウェブサイトに、他の画像や動画クリップが掲載されているので、ぜひ訪れてほしい。


近藤氏撮影のミール 2001年2月23日 18時26分ごろ 東京府中にて
撮影/近藤 弘之 氏 (株式会社五藤光学研究所)
  • セレストロン製20cmシュミットカセグレン式望遠鏡
  • ビクセン製スカイセンサー2000
  • ソニー製デジタルハンディカム

「スカイセンサー2000」は、人工衛星の追尾機能を備える望遠鏡制御装置だ。

ミールは、条件にもよるが木星よりもずっと大きく見える。このため、アマチュア向けの望遠鏡でもその構造をある程度とらえることは可能というわけだ。

近藤氏のウェブサイトには、国際宇宙ステーションやスペースシャトルの拡大撮影画像もあるので、ぜひ訪れてほしい。


<関連ページ>

<関連ニュース>