「はやぶさ」のイオンエンジンが停止
【2009年11月10日 宇宙航空研究開発機構(JAXA)】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、日本時間(以下同様)11月4日に小惑星探査機「はやぶさ」でイオンエンジンに異常が発生し、復旧を試みているもののまだ再起動に至っていないことを発表した。
「はやぶさ」は、今年2月から4基あるイオンエンジン(スラスタA、B、C、D)のうち、使用可能なスラスタC、Dを再点火して、地球帰還を目指して航行を続けていた。
しかし、先週11月4日にスラスタDの中和器で、劣化による電圧上昇が発生、その後エンジンが自動停止したことが確認された。また、現在停止中のスラスタCでも同様の電圧上昇の傾向があるが、稼動することは確認されている。中和器は、噴射口に設置されていて、噴射ガスを電気的に中和するためのものである。
「はやぶさ」のプロジェクトチームでは、現在エンジンの調査および復旧を試みているが、まだ再起動には至っていない。引き続き探査機の状況確認を進め、地球への帰還に向けた対策の検討を始めるという。