JAXAが宇宙飛行士を新規募集

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JAXAが新たな宇宙飛行士の候補者を募集することを発表した。宇宙飛行士の活動の場が国際宇宙ステーションだけでなく、月周回軌道上や月面に拡がることも想定している。

【2021年11月26日 JAXAJAXA有人宇宙技術部門

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は13年ぶりに宇宙飛行士候補者を募集することを発表した。国際協力の下、人類の宇宙での活動が月へと広がる兆しが見られることが募集の背景にある。

NASAが提案する月面探査プログラムの総称である「アルテミス計画」では、2025年以降に月面に宇宙飛行士を送り、その後月周回有人拠点「ゲートウェイ」建設に向けて月への物資運搬と月面拠点の建設を経て、月面での人類の持続的な活動が始まることになる。また昨年10月には、日本を含む8か国が、アルテミス計画を含む広範な宇宙空間の民生宇宙探査・利用の諸原則を定めた初の国際的枠組みである「アルテミス合意」の締結を済ませている。

月周回有人拠点(Gateway)と新たな有人活動の場の想像図
(上)月周回有人拠点(Gateway)の想像図、(下)新たな有人活動の場(提供:(上)NASA、(下)NASA Budget Request Summary(出典:第24回ISS・国際宇宙探査小委員会 2021年6月30日開催資料42-5より))

日本は、宇宙における人類の活動拠点となっている国際宇宙ステーション(ISS)ですでに大きく貢献している。実験棟「きぼう」の利用実績に加えて、日本人宇宙飛行士からはこれまでに2名のISS船長を輩出しており、米国・ロシアに次ぐ世界第3位の宇宙滞在実績を持つ。JAXAはこうした実績と経験を背景に月面での有人活動にも参画しようとしているが、日本人の現役宇宙飛行士は現在7名で、平均年齢は51歳と高齢化が進んでいる。このままでは月面活動が活発化する2030年代に人員が不足してしまいかねない。

そこでJAXAは、月探査プログラムにも関わり得る「アルテミス世代」の宇宙飛行士の募集に踏み切った。募集期間は2021年12月20日(月)から2022年3月4日(金)で、人数は若干名としている。従来と比べて、学歴を不問にするなど条件が大幅に緩和されている。12月1日(水)にはJAXA公式YouTubeチャンネル でオンライン説明会が行われ、募集要項についての説明や、JAXAの宇宙飛行士による業務、自身の転職経験についてのトークが実施される予定だ。

Hello! EXPLORERS PROJECTのロゴ
宇宙飛行士候補者を募集する「Hello! EXPLORERS PROJECT」のロゴ(提供:JAXA)