オリオン宇宙船が月フライバイ、人類最遠到達記録を更新
【2026年4月7日 NASA】
日本時間(以下同)4月2日に打ち上げられたオリオン宇宙船は、ミッションの2日目にエンジン噴射を行って地球周回軌道を離れ、月へ向かう月遷移軌道へ入った。

ミッション2日目に月遷移軌道へ入るためのエンジン噴射後に撮影された地球。アフリカ大陸が見えるほか、オーロラ(1時方向)や黄道光(5時方向)もわかる(提供:NASA)
順調に月に向かって航行を続けたオリオン宇宙船は、ミッション6日目の7日午前2時45分に月フライバイ(接近通過)を開始した。午前2時56分には地球から40万171kmの距離に到達し、1970年にアポロ13号によって打ち立てられた人類最遠到達記録を上回った。
「アルテミスIIミッションの宇宙飛行士たちが全人類のために新たなフロンティアを切り拓いているということは、記録の塗り替え以上の貢献として、未来への希望の糧となります」(NASA探査システム開発ミッション局 Lori Glazeさん)。
「何よりも重要なのは、これを現世代や次世代が挑戦のきっかけにして、そう遠くないうちに記録が塗り替えられることです」(カナダ宇宙庁宇宙飛行士、アルテミスIIミッション・スペシャリスト Jeremy Hansenさん)。

オリオン宇宙船が人類最遠到達記録を更新し地球から40万750kmの距離にあった際の「Artemis Real-Time Oribt Website」(オリオン宇宙船追跡サイト)のスクリーンショット
7日3時45分ごろからは科学観測が実施され、直径約930kmの巨大な衝突クレーター「オリエンタル盆地」など30か所の撮影や観察が行われた。

月の表と裏の境界に位置するオリエンタル盆地(左下のクレーター)の全体像が見える月。探査機ではなく人類が直接このクレーターを観察、撮影したのは初めて(提供:NASA)
さらに、地球が月に隠される「地球の入り」や、隠された地球が月の縁から現れる「地球の出」なども観測され、太陽が隠された際には太陽コロナの観測も行われた。オリオン宇宙船が地球から最も離れたときの距離は40万6771kmとなり、これまでの記録を約6600km更新した。

宇宙船の太陽電池パドルに取り付けられているカメラで撮影された「地球の出」(NASAのライブ中継より)(提供:NASA)
月フライバイと一連の科学観測を終えたオリオン宇宙船は地球帰還の準備に入っている。8日には月の重力圏を離れて地球へ向かい、ミッション10日目となる11日に太平洋に着水して帰還となる。
〈参照〉
- NASA:NASA’s Artemis II Crew Eclipses Record for Farthest Human Spaceflight
- NASA Blogs - Artemis II:
- Artemis II Flight Day 6: Lunar Flyby Updates(4月6日)
- Artemis II Flight Day 4: Deep-Space Flying, Lunar Flyby Prep(4月4日)
- Artemis II Flight Day 3: Crew Prepares Cabin for Lunar Flyby(4月4日)
- Artemis II Flight Day 3: Outbound Trajectory Correction Burn Update(4月3日)
- Artemis II Flight Day 3: Crew Prepares for First Correction Burn, Readies to Receive Lunar Observation Assignment(4月3日)
- Artemis II Flight Day 2: Orion Completes TLI Burn, Crew Begins Journey to the Moon(4月2日)
- Houston Poll ‘Go’ for Translunar Injection Burn(4月2日)
- NASA's Artemis II Live Mission Coverage (Official Broadcast)
〈関連リンク〉
- NASA:
- Artemis II: NASA's First Crewed Lunar Flyby in 50 Years
- NASA+
- Planetary Society:
- 日本惑星協会:(日本語)
- アストロアーツ 天体写真ギャラリー:月
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