2026年の主要なミラ型変光星の光度変化予測

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数か月以上の長い周期で明るさが大きく変わるミラ型変光星のうち主なものについて、2026年の光度変化の予測グラフを紹介しよう。今年はくじら座のミラ、わし座R、はくちょう座χなどがおすすめだ。

【2026年1月5日 高橋進さん】

太陽くらいの質量の恒星は、進化の過程で赤色巨星になると、脈動により大きな光度変化を見せることがあります。その中でも変光周期が100日以上で変光幅が2.5等級以上あり、比較的規則的な変光を見せるものを「ミラ型変光星」と呼んでいます。光度変化の様子は眼視でも観測でき、多くのものは数か月の観測で光度曲線を描くことができます。

こうしたミラ型変光星の中で比較的明るく観測しやすい9星について、いつどれくらいの明るさになりそうか予測グラフを作成しました。ぜひ参考にして観測にご利用ください。

※ミラ型変光星の極大予報は様々な天文誌や観測団体で公表されていますが、データの選択や計算手法により日付や等級に関して多少のばらつきがあります。この記事では日本変光星観測者連盟(VSOLJ)のデータを元にして、アメリカ変光星協会(AAVSO)なども参考にして計算しています。光度や周期については、実際には多少の変化があるかもしれません。あくまで参考としてご利用ください。

ミラ型変光星の2026年の変光予想
ミラ型変光星の2026年の変光予想。画像クリックで表示拡大(提供:高橋さん)

新年早々の観測おすすめの星はくじら座のミラ(ο Cet)です。2025年12月に急激な増光を起こし、2026年1月から2月におよそ3等の極大になるとみられます。ただし、2023年と2024年の極大期に太陽が近く、詳細な観測データが得られていないため、予報誤差が大きいかもしれません。

ミラ周辺の星図
ミラ周辺の星図(「ステラナビゲータ」で星図作成、以下同)

おとめ座R(R Vir)は周期が146日でミラ型変光星の中でも周期の短い天体です。そのため1年の中で2~3回の極大があり、今年は4月下旬の極大が観測好期です。周期は短いですが、変光範囲は7~11等で、メリハリのきいた光度変化が楽しめます。

おとめ座R周辺の星図
おとめ座R周辺の星図

わし座R(R Aql)は周期268日で6~11等を変光します。今年は9月中旬の極大が予想されており、7月くらいから急速に明るくなっていくと予想されます。小望遠鏡があれば夏休みの自由研究のネタにも最適です。

わし座R周辺の星図
わし座R周辺の星図

はくちょう座χ(χ Cyg)は周期408日で4~13等を変光します、変光範囲が大きく、ダイナミックな変光が楽しめます。今年の極大は9月下旬と予想されており、わし座Rと同様に夏休みのころに急速に明るくなっていくとみられるので、夏休みの自由研究におすすめです。極大期に肉眼で見える明るさになれば、はくちょう座の首が少し曲がった様子が楽しめます。

はくちょう座χ周辺の星図
はくちょう座χ周辺の星図

ミラ型変光星の観測は、小型の天体望遠鏡や双眼鏡でも可能です。変光星を観測して、楽しい一年をお過ごしください。


星ナビ2026年1月号ではこのほか、再帰新星のかんむり座T食変光星ペルセウス座βアルゴルなど、ミラ型変光星以外も解説いただいています。

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