発見から330年、土星の衛星ディオネ

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8月17日、土星探査機「カッシーニ」が衛星「ディオネ」への5回目となるフライバイを行った。

【2015年8月25日 NASA JPL

土星の第4衛星ディオネは、1684年に天文学者カッシーニが発見した直径1000kmほどの氷の衛星だ。発見者の名を冠した探査機「カッシーニ」は2004年から土星とその衛星を探査しており、ディオネへのフライバイ(接近通過)は今回で5回目、そして最後となる。

最接近前に撮影されたディオネ
8月17日、最接近前に約17万kmから6万3000kmの距離から撮影されたディオネ。後ろを横切るラインは土星の環(提供:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

今回のフライバイでカッシーニはディオネの上空474kmを通過した。重力や磁気圏、プラズマのデータから、ディオネの内部構造や内部構造が表面に及ぼす影響を知る手がかりが得られると期待されている。

カッシーニによる土星の衛星フライバイは、あと数回で終わりを迎える。そのなかで、地質学的に活発な活動を見せているエンケラドスには、今年の10月14日と28日、さらに12月19日にフライバイする。10月28日にはエンケラドス上空49kmまで接近し、表面のひび割れから間欠泉のように噴出する氷の粒子や水蒸気の中へ飛び込むように飛行して、エンケラドスの地下で何が起こっているのかを調べる。

その後は、大きな衛星を遠くから数回観測し、ダフニス、テレスト、エピメテウス、アイガイオンなどいびつな形をした小衛星20個あまりを撮影する。そして2017年、「グランドフィナーレ」と呼ばれる最後の1年間では、土星の本体と環の間を何度か繰り返し飛行する予定だ。

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