宇宙に存在する銀河は2兆個、従来の見積もりの10倍

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これまで宇宙には2000億個ほど銀河が存在すると考えられてきたが、銀河の3次元分布図とモデルを基にした新しい見積もりによれば、その10倍の2兆個も存在するようだ。

【2016年10月17日 RASHubbleSite

宇宙には一体いくつ銀河が存在するのだろうか。ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の観測画像からの見積もりによって、私たちが天体望遠鏡などを使って見ることのできる宇宙には1000億から2000億個の銀河が存在すると考えられてきた。

英・ノッテインガム大学のChristopher Conseliceさんたちの研究チームは、HSTをはじめとする望遠鏡がとらえた深宇宙の狭い領域の画像から、銀河の3次元の分布図を作成した。この図と新しいモデルから銀河の個数密度が計算でき、現在の技術では観測不可能なほど暗く遠いところにある銀河の数を推測できるようになった。

HST GOODSサウス・フィールド
「HST GOODSサウス・フィールド」と呼ばれる、全天の100万分の1ほどの広さの領域(提供:NASA / ESA / The GOODS Team / M. Giavalisco (UMass., Amherst))

一定の年代ごと(距離ごと)にいくつ銀河が存在するのかを調べたところ、初期宇宙に非常に多くの銀河があることが明らかになった。同じ体積で比べると、誕生から数十億年程度の宇宙に見られる銀河の数は、現在の宇宙に見られる数の10倍ほどもあるようだ。こうした初期宇宙の銀河の大半は、天の川銀河の衛星銀河ほどの質量しかない小さく暗いものである。

「過去の宇宙に多くの銀河があり、合体を繰り返すことによってその数が減っていったことを示す結果です。宇宙に存在する銀河のうち9割がまだ調べられていないというのは、驚くべきことです。次世代望遠鏡で銀河を調べると、興味深い特徴が明らかになるかもしれません」(Conseliceさん)。

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