白色矮星系の系外衛星の運命
【2017年3月31日 CfA】
太陽のような星が年老いて一生の終末期に近づくと、外層部を放出し、あとには中心核の部分だけが残って白色矮星となる。こうした白色矮星の周りにある惑星系を研究すると、地球を含め太陽系の運命に関する情報が得られる。
白色矮星の大気は、そこに降り積もった物質が分解されて原子量に応じた層を形成すると考えられている。そのため、観測可能な白色矮星の大気の最上層には、水素とヘリウム(と少量の炭素)しか含まれていないはずだ。ところが、約1000個の白色矮星の大気に、岩石質の物質が存在する証拠が見られた。つまり、どこからかやってきた物質の破片が白色矮星上に継続的に降っているということになる。
ハーバード・スミソニアン天体学物理センターのMatt PayneさんとMatt Holemanさんたちが、物質がどこからやってきたのかをシミュレーション研究したところ、惑星を回る軌道から外れて自由になった衛星が、白色矮星系の内側の領域をふらふらと動くことが確かめられた。
この衛星そのものが白色矮星に向かって落ちて物質を供給するのかもしれないし、衛星の影響で軌道が乱された小惑星や彗星などが白色矮星に落ちていくのかもしれない。どちらにせよ、自由になった系外衛星が何らかの寄与をしている可能性が、今回の研究で初めて示された。
〈参照〉
- CfA: The Fate of Exomoons
- Monthly Notices of the Royal Astronomical Society: The fate of exomoons in white dwarf planetary systems 論文
〈関連リンク〉
- ハーバード・スミソニアン天体物理学センター: https://www.cfa.harvard.edu/
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