現在、ボーグの販売ルートは、大きく分けて国内市場と海外市場に分けられます。今のところ、売り上げは国内が約8割、海外が約2割という比率です。ただ、最近国内市場が低迷しているため、海外市場の比率が年々高まってきている状況です。また、国内市場は弊社が直販しているため、直販比率が高いと思われがちですが、通年で慣らしますと、今のところ約4割程度で、やはりメインは販売店さん頼みという状況です。これは、特にボーグ製品の現物を見て購入したいという方が多いという理由からだと思います。今回はその販売店(専門店)について、弊社から見た独自の視点でご紹介しますので、ご利用の参考にしていただければ幸いです。
《《 国内 》》
協栄産業さん
国内最大でもっとも歴史のある有名な販売店です。東京店と大阪店があります。もともと協栄さんは、大阪が発祥の地で当時は阪急百貨店の中に店舗があったそうです。その後、日本初の望遠鏡専門店を梅田に開店。中川少年も赤道儀やパーツの購入ではずいぶんお世話になったものです。東京店は1984年の開店ですが、当時ビクセンの営業だった私は東京店の開店セールをお手伝いするなど、何かと縁があります。老舗だけあって、古い望遠鏡のことも詳しく、知識豊富なスタッフが多くいることも安心できる要素です。当然、ボーグの販売量も全国1番店です。大阪店は西日本最大の専門店で、ボーグに詳しいスタッフがおられ、気軽に相談できるありがたいショップです。
コプティックさん
新宿で唯一の販売店です。専門店には珍しい女性店員がおられますので、もっとも敷居が低い専門店といえるかもしれません。ボーグのパーツはほぼ全製品の在庫があります。
アイベルさん
元アトムスタッフで、元ボーグスタッフでもある松本さんががんばっている、三重の専門店です。松本さんのアイデアで次々とユニークな製品が生み出されます。元ボーグスタッフだけにボーグ製品のことは特に詳しいです。在庫も豊富です。
スターベースさん
東京店と名古屋店があります。東京店の池之上さんは私が知る限り、専門店でもっとも接客が親切な店員さんだと思います。誠実、説明は丁寧。当然、ボーグのことも詳しく、複雑なパーツの組み合わせも懇切丁寧に説明してくれます。まさに専門店らしい専門店といえると思います。ボーグのパーツはほぼ全製品が揃っています。
スペースゲイトさん
東京にあり、ネットショップとしてはもっとも多くボーグを販売しています。店主の江尻さんは、ボーグファンでもあり、実に誠実な人柄で、信用のおける丁寧な対応が安心できます。ボーグの在庫量はおそらく全国一で、本体を含めてほぼ全製品を持っています。
スコープライフさん
店主の遊馬さんも、元アトムスタッフであり、元ボーグスタッフです。現在、埼玉で特注部品の工場を経営していますが、ボーグの知識や応用力は業界随一だと思います。また、ボーグの休業中の駆け込み寺を請け負っていただいたり、何か特注部品を依頼されたときにも原則として断らないというポリシーを維持し続けるなど、徹底した顧客重視主義を貫いています。ボーグの在庫も豊富で、ボーグパーツの裏技も良く知っています。
三ツ星さん
店主の村上さんは、千葉天体写真協会の元メンバーで、天体写真の撮影技術の高さには以前から定評があります。また、オリジナル製品を次々と開発するなど、非常に柔軟な発想の持ち主で、ボーグに対しても早くからその潜在能力を認めていただき販売しています。特にボーグのレデューサーを他社の望遠鏡に接続するセット販売を得意としています。
《《 海外 》》
笠井トレーディングさん
ボーグが1991年11月に事業をスタートしたときに、真っ先に電話をくれたのが、笠井さんでした。ボーグを輸出したいので、代理店をさせてくれないかと連絡をいただきました。今思うと、海のものとも山のものと分からないボーグの素質を見抜いて、扱いたいといっていただいた先見性には驚嘆するとともに感謝しています。そのときからのお付き合いですので、かれこれ17年になりますでしょうか。今でも笠井さんは海外のユニークな商品を日本に紹介したり、日本仕様に改良して販売したりと、笠井さんでなくては出来ない製品をたくさん供給し続けています。ある意味、今中国製等の海外製の望遠鏡がここまで日本に浸透したのは笠井さんの努力によるところが大きいと思います。弊社も笠井さんの製品はマイクロフォーカサーやワイドビノをはじめとして積極的にお勧めしています。
ヒューテックさん
今のボーグはヒューテックさん抜きでは語れません。ヒューテックさんはアメリカにカリフォルニアの事務所がありますが、実はテッド石川さん(写真中央)という日本人が経営している代理店です。石川さんは、アメリカでボーグの広告を見たときに、「これだ」と思ったそうで、当時代理店の選定に迷っていた弊社に猛烈なアプローチをしていただき、弊社が根負けする形で、取引が始まったわけです。
今やヒューテックさんなしでは考えられないほどの勢いで売り上げが伸びています。特に、アメリカ市場の需要をいち早く察知して、強力に弊社に製品化を迫るパワーは並ではありません。そのお陰で、EDレデューサーF4DGの製品化とその大ヒットが生まれましたし、年末発売予定の125SDも国内市場だけでは決して生まれなかった製品です。これからもヒューテックさんからの製品化の要望がボーグの新製品アイテムに大きな影響を与え続けることでしょう。
という訳で、ボーグは上記のほかにも新規出店されたシュミットさんなど多くの販売店に恵まれて、発売から18年目を迎えようとしています。これからも販売店さんの助けを借りながら、ボーグを多くの方に使っていただき、次世代の新製品を開発していきたいと考えています。
今回予定していたもうひとつのネタ、千葉天体写真協会の話は紙数が尽きましたので、改めてご紹介したいと考えています。次回は、9月が中秋の名月ということもあり、月の話をしたいと思います。