探査機「あかつき」がメインエンジンのテスト噴射を実施
【2011年9月8日 JAXA】
2015年の金星到着を目指す探査機「あかつき」が9月7日、軌道投入用エンジンの状態を把握するためのテスト噴射を実施した。今月14日には2回目のテストを予定している。これらの結果次第で今後の軌道計画が決まる、重要な局面だ。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、運用中の金星探査機「あかつき」の軌道制御用エンジン(OME)のテスト噴射について、2回のうち1回目となる2秒間の噴射を予定通り9月7日11時50分(日本時間)に行ったと発表した。2回目の9月14日は20秒間の噴射が計画されている。
2010年5月に打ち上げられた「あかつき」は同年12月の金星周回軌道入りを目指したが、OMEの噴射異常により軌道入りに失敗した。2011年11月または2012年6月ごろに軌道修正のための噴射を行い、2015年の金星接近時に再度軌道投入を試みるが、その際にOMEが使用できる状態かどうか等を判断するために今回のテストが実施される。
もしOMEが使用できなければ、代替として姿勢制御用エンジン(RCS)に頼ることになる。その場合、パワーが弱いため本来の観測軌道と異なる軌道に入る。
運用チームでは、それぞれのテストの後に「あかつき」から送信される噴射時の機体データを解析して今後の道を探っていく計画だ。