本屋大賞作家・辻村深月さんの天文小説『この夏の星を見る』

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コロナ禍で青春を過ごす若者たちが、星を見ることでつながる物語。星ナビ8月号では作者インタビューを掲載しています。

【2023年7月5日 星ナビ編集部

『かがみの孤城』や『ツナグ』などで知られる作家・辻村深月さんが、6月30日に『この夏の星を見る』を刊行しました。星ナビ2023年8月号では辻村さんへのインタビュー記事を掲載。作品制作の裏側をお伺いしています。

この夏の星を見る
(左)『この夏の星を見る』書影。イラストはスカイエマさん。(右)作者の辻村深月さん(撮影/干川修)

星ナビ2023年8月号

物語の設定は2020年春。新型コロナ感染症の流行によるコロナ禍で登校や部活動が次々と制限される中、全国の中高生は複雑な思いを抱えていました。茨城県の高校2年生、亜紗(あさ)。東京都の中学1年生、真宙(まひろ)。長崎県五島列島の円華(まどか)。それぞれに天文活動に出会った生徒たちは、オンライン会議を駆使して、全国でつながっていきます。

作中では、自作の天体望遠鏡で星を見る活動「スターキャッチコンテスト」が登場。茨城県の高校の部活動で始まったイベントで、制限時間内にどれだけ多くの星を見つけられたか(キャッチできたか)を競います。辻村さんは実際に茨城県高等学校文化連盟自然科学部の冬季合同合宿でコンテストを見学したそうで、インタビューの中で「生徒さんたちが手作り望遠鏡を空に向けて楽しそうに星を探す姿に感動しました」と話してくれました。

17世紀後半に発明された筒のない「空気望遠鏡」や、高さを変えずに横から覗き込むことができる「ナスミス式望遠鏡」といった望遠鏡たちが登場するところも天文ファン的見どころです。

この夏の星を見る
遠く離れた土地で進行する物語が星によってまとまっていく青春群像(イラスト/スカイエマ)

『この夏の星を見る』

  • 著:辻村深月
  • 発行:KADOKAWA
  • 発売:2023年6月30日
  • 488ページ
  • 定価:2,090円

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