星ナビ8月号、9月号の2号連続でプラネタリウム特集「星の都の物語」
【2025年6月20日 星ナビ編集部】
紹介・写真:中山満仁さん(プラネタリウムライター)
ドイツのイエナでカールツァイスI型投影機が作られ近代的なプラネタリウムが産声をあげてからちょうど100年目の2023年。ドイツの農村ブルッフハウゼン=ヴィルセンで“最初の光学式プラネタリウム”カールツァイスI型の2号機を蘇らせ公開していた天文家のロムケ(Romke Schievink)さんに出会った私は、プラネタリウムの始まりの物語をもっと深く知りたいと思うようになり、近代的プラネタリウムの足跡を辿りドイツの三都市を巡る旅に出ました(ムック「ようこそプラネタリウムへ」、および「星ナビ」2025年6月号「星の街道をゆく プラネ三都物語」参照)。
近代的プラネタリウム誕生は折しもドイツに台頭し始めたナチズムと第二次世界大戦へと流れ込む歴史の奔流に巻き込まれることとなりますが、プラネタリウムが歴史の流れや人々の営みとも深く密接に関わり合っていると感じた私は、その原始の姿にまで迫ろうと決意して翌2024年に新たな旅を始めました。100年前の「イエナの驚異」からさらに時を遡り、プラネタリウムの始まりの姿を追い求める旅は、世紀を越えてついに人類史の原初の世界へ。オランダの「アイジンガー・プラネタリウム」や、ギリシャの「アンティキテラの機械」、「ネブラ・スカイディスク」などを訪ねた「星の街道をゆく プラネタリウム・はじまりへの旅」は星ナビ8月号(7/4発売)と9月号(8/5発売)の2回連続で掲載予定です。時空を越えるプラネタリウムの旅を、ぜひお楽しみください!
オランダの羊毛梳き職人アイジンガーさんが240年以上前に自宅に作った小さな太陽系儀が、今でもオランダ北部フリースラント州の小さな町に残されている
ところが執筆を進めている最中の5月20日、ロムケさんが急逝されました。亡くなる数日前まで元気に手作りの天文台を整備する様子などをSNSにアップしていたのを目にしていたので、あまりに急な別れを信じることができませんでした。しかしながら、いつも明るく前向きで情熱的に活動していたロムケさんはきっと私が悲しみに打ちひしがれている姿など見たくないに違いない、それより私に何ができるかを考えないとと思い直し、今はとにかく遺族の方々に心情だけでも寄り添い、そして遺されたカールツァイスI型2号機をこれからも守るために何ができるかを考えていきたいと思います。日本のプラネタリウム愛好家の皆さんにもぜひ、ご協力をお願いいたします。
カールツァイスI型の2号機を調整するロムケさん。私たちに100年前の地上の星空を再び見せてくれた情熱あふれるプラネタリアンでした
〈関連リンク〉
- 一冊まるごとプラネ!ムック「ようこそプラネタリウムへ」
- 「星ナビ」2025年6月号 「星の街道をゆく プラネ三都物語」 中山満仁さんによる紀行文
- ブログ:天燈茶房 TENDANCAFE 旅はいよいよ世紀を越えて「プラネタリウム・はじまりへの旅」
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