星ナビ初の本格的な連載小説「オリオンと猫」3月号よりスタート

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「パラサイト・イヴ」や「虹の天象儀」などの作品で知られる瀬名秀明さんが、「星ナビ」で小説の連載を始めました。星の文人・野尻抱影とその実弟で作家の大佛次郎を描きます。

【2025年2月12日 星ナビ編集部

野尻抱影(のじり ほうえい、1885~1977年)は星の和名を収集して多数の本を著した「星の文人」であり、「冥王星」の名付け親としても天文ファンに広く知られています。今年は、抱影生誕140周年であることもあり、星ナビ3月号より小説家の瀬名秀明さんが野尻抱影をテーマに小説「オリオンと猫 ー 野尻抱影と大佛次郎物語 ー」連載をスタートしました。大佛次郎(おさらぎ じろう、1897~1973年)は抱影の実弟で、「鞍馬天狗」などの大衆文学や、「天皇の世紀」「パリ燃ゆ」などの歴史小説やノンフィクションなど多数の作品を残した作家として知られています。

これまで別々に語られることの多かった2人を、彼らが見上げたであろう星空やそれぞれの作品に描かれた天体に注目しながら、兄弟の関係を描いていきます。物語は現代、横浜にある「大佛次郎記念館」から始まり、そこに収蔵されている抱影の愛機「ロング・トム(10cm F15)」や1910年に回帰したハレー彗星などを織り交ぜていくことで、兄弟が生きた時代と今をリンクさせながら話が進んでいきます。また連載が始まった3月号では、小説をより深く楽しんでもらうために「天文外史」コーナーで野尻抱影の生涯を紹介しています。

取材
【左】野尻抱影はこよなく星を愛し、その魅力を彼ならではの視点と筆致で綴り世へ広めた(大佛次郎記念館所蔵)。【右】瀬名秀明さんは昨年大佛次郎記念館を訪れ、野尻抱影や大佛次郎に関する資料を見学した。写真は抱影の望遠鏡「ロング・トム(通常非公開)」を見る瀬名さん(左)とコスモプラネタリウム渋谷の村松 修 解説員

2月7日に配信した星ナビスタッフによる3月号紹介(アーカイブ公開中)では、瀬名秀明さんをスペシャルゲストに迎えて連載の構想や事前取材の様子をお話しいただきました。「星ナビ」初となる本格的な連載小説をお楽しみください。なお、前述の大佛次郎記念館では野尻抱影の特別展を企画中。筑摩書房からは1月9日に野尻抱影 唯一の小説集「三つ星の頃」が復刊されており、今後も生誕140周年にふさわしい盛り上がりが期待されます。

連載第1回
星ナビ2025年3月号「オリオンと猫 野尻抱影と大佛次郎物語」第1回「はじまりのしし座流星群」より一部を抜粋(画像クリックで表示拡大)

天文外史
星ナビ2025年3月号 天文外史「星の文人・野尻抱影 その生涯と星空への思い」より一部を抜粋(画像クリックで表示拡大)

星ナビ2025年3月号

星ナビ2025年3月号紹介動画  ゲストは小説「オリオンと猫」の連載をスタートした作家の瀬名秀明さん

星ナビ2025年3月号 試し読み 星ナビ2025年3月号 「オリオンと猫」「天文外史」冒頭を読むことができます

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