TESSが月スイングバイ、カメラテストも実施

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4月に打ち上げられた系外惑星探査衛星「TESS」が5月17日、月をスイングバイして観測軌道へと向かう軌道変更を行った。その際に4つのカメラのうちの1つを使って取得した、20万個以上の星をとらえた試験画像が公開された。

【2018年5月25日 NASA

4月18日に打ち上げられたNASAの系外惑星探査衛星「TESS」は、惑星が主星の前を通過することで主星の明るさが定期的にわずかに暗くなる様子から惑星を検出する(トランジット法)宇宙望遠鏡だ。ほぼ全天に近い領域を観測し、近傍の明るい星々をモニタリングすることにより、2年間に数千個の系外惑星が発見されると期待されている。

TESSは現在、最終的な観測軌道への移行中である。打ち上げから1か月後の5月17日、TESSは月から8000kmの距離を通過し、月の重力を利用したスイングバイを行って軌道を変更した。来週30日には最後のエンジン点火を実施して、地球を13.7日で周回する観測軌道へ入る。その後はカメラの調整を行い、6月中旬から本格的な観測を開始する予定だ。観測軌道が非常に長い楕円形をしているのは、TESSが撮影できる空域を最大化し、広範囲のモニタリング観測を可能にするためである。

地球を周回する楕円軌道上から、「TESS」が行う系外惑星探査の紹介動画(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)

月スイングバイの際、TESSに搭載されているカメラの試験の一環として、4つのカメラのうちの1つを使った2秒間露出の画像撮影が行われた。画像はケンタウルス座の方向を撮影したもので、20万個以上の星がとらえられている。試験画像の右上の角には暗黒星雲「コールサック」の端が写っている。画像下部の明るい星はハダル(ケンタウルス座β星)だ。

TESSカメラの試験画像
5月17日にTESSカメラが取得した試験画像(提供:NASA/MIT/TESS)

最初の2年間には、この試験画像に見られる領域の400倍以上の空域をカバーした観測が行われる。

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