株式会社アストロアーツは、2026年6月24日をもちまして創立35周年を迎えることとなりました。これまで当社製品をご愛顧いただいたユーザーの皆様、多大なるご支援を賜った業界各社の皆様、そして何より、現場で共に製品を作り続けてくれたスタッフ各位に、心より感謝申し上げます。
当社は1991年6月24日、東京都港区南青山で産声を上げました。「天文の楽しさを、ソフトウェアを通じて広く一般に知っていただく」という志を胸に、株式会社アスキーの子会社として設立された会社です。
しかし、星空というロマンチックな世界を相手にしながらも、現実は全く甘くありませんでした。設立当初は文字通りの「大赤字」。宇宙の暗闇とは裏腹に、会社の帳簿は見事なまでに真っ赤に染まっていたのです。事業が軌道に乗るまでには本当に時間がかかりました。アスキーの事業再編の波の中で体制を変え、西新宿へとオフィスを移した頃には、ついに資金繰りの荒波に揉まれ、新宿税務署へ足を運んで「どうか税金を分納させてください!」と平身低頭お願いに上がったこともありました。今となっては笑い話ですが、あの時の税務署の窓口でかいた冷や汗は、真冬の夜中の天体観測よりも震え上がったものです。
創設当初に「本当に星で飯が食えるようになるのか?」と自問自答しながら、とりあえず5年、できれば10年くらい頑張れればと思いつつ…必死に自転車を漕ぎ続けた日々が、あっという間に35年という歳月へと繋がりました。
35年——それは、土星が太陽の周りを一周する公転周期よりも長い時間です。会社を立ち上げた直後、私は1991年7月のハワイ皆既日食ツアーへと遠征しました。あいにく細くなった太陽は雲の向こうでしたが…翌日の自由行動時にワイキキ海岸の夜空でやぎ座の三角形のすぐそばに輝く土星を見上げたことは、私にとって忘れられない想い出です。好シーイングに恵まれ、アイピースの中で微動だにしない、まるで写真のようなあの素晴らしい土星の姿を見てから35年。黄道上を一周した土星は今、やぎ座を通り越し、うお座の領域で輝いています。税務署通いに冷や汗を流していた私たちの歴史も、土星が時を刻むように流れ、いくつもの製品が生み出されてきました。
天文とコンピュータは、切っても切れない関係にあります。「ステラナビゲータ」の画面で観測計画を立て、「ステラショット」で天体望遠鏡とカメラを制御し、天体を自動導入しつつ撮影を行う。撮影データを「ステライメージ」で処理することで、美しい天体の姿を描き出す。私たちが作り上げてきたソフトウェアは、一歩進んだ「星を見る、撮る楽しさ」を形にしてきました。そして時代は移り変わり、現在ではスマートフォンやタブレットを空にかざすだけで、誰もが手軽に星空の情報に触れられるようになりました。また、「星ナビ」や「アストロガイド 星空年鑑」などの出版物を通じても、初心者からマニアまで幅広い方々に星空の魅力をお届けし続けています。
さらに、私たちが長年抱いていた「ディスプレイの星空を、大きなドームに投影したい」という夢は、大型プラネタリウム「ステラドームプロ」として結実し、今では全国100館に迫るドームで多くのお客様に星空を体験していただいております。
35年を振り返ってみると、赤字に喘いだ日々への後悔も、やり残していることもまだまだ沢山あります。時代は大きく変化していますが、「星を見る楽しさを伝える」という私たちの根幹が揺らぐことはありません。これからの時代にマッチした新しい星空の体験を、これからも皆様と共に創り上げていきたいと考えております。
今後とも、株式会社アストロアーツならびに当社製品をご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2026年6月吉日 株式会社アストロアーツ
代表取締役社長 大熊正美
35年の沿革
主なソフトウェアや書籍、OEM開発などを年表で振り返ります。
1990年
| 3月 |
「アストロガイド1990」(星空年鑑・ディスク付き書籍)を発売
(※株式会社アスキー 出版局 アストロアーツプロジェクトでの刊行) |
1991年
| 6月 |
東京都港区南青山で株式会社アストロアーツが始動 |
| 7月 |
「ステラナビゲータ for PC-9801 DOS版」(天文シミュレーションソフト)を発売 |
1993年
1995年
1996年
| 3月 |
「天文展示用ソフト」を全国科学博物館協会に納入 |
| 6月 |
「望遠鏡制御ソフト」を五藤光学研究所に納入 |
| 12月 |
有限会社エヌジーシー(スカイウオッチャー編集部)と合併 |
1997年
| 2月 |
立風書房から「月刊天文誌スカイウオッチャー」の編集制作を受託
「ステライメージ」(天体画像処理ソフト)を発売
「ヘール・ボップ彗星らくらく観測」(ディスク付き書籍)を発売 |
| 10月 |
オンラインショップを開始 |
1999年
| 3月 |
「ステラナビゲータ Ver.5 for Win」(天文シミュレーションソフト)を発売 |
| 4月 |
「すばる望遠鏡展 展示ソフト」を国立科学博物館に納入 |
| 7月 |
「ヨーロッパ~トルコ~イラン皆既日食」に、アストロアーツ/スカイウオッチャー協賛ツアー出発 |
2000年
2001年
| 3月 |
「VSOP観測スケジュール作成ソフト」を宇宙科学研究所に納入 |
| 11月 |
「しし座流星群」を群馬県からインターネットライブ中継 |
| 12月 |
「アストロガイド 星空年鑑」の2002年版(CD付きムック)を発売 |
2002年
2003年
| 6月 |
「火星大接近2003夏」(CD付きムック)を発売 |
| 8月 |
すばる望遠鏡画像解析ソフト「マカリ」を国立天文台と共同開発 |
| 12月 |
「移動天体検出ソフト」をNAL(現JAXA)と共同開発 |
2004年
2005年
| 2月 |
「平塚市博物館向けソーラープロジェクタ」を納品 |
| 8月 |
「火星くるくる」(火星シミュレーションソフト)をダウンロード販売開始 |
2006年
| 2月 |
「スペースガイド 宇宙年鑑」の2006年版を発売 |
| 3月 |
「VERA観測スケジュールソフト」を国立天文台に納入
「星座をさがそ」(携帯電話コンテンツ)をボーダフォンに納入 |
| 12月 |
「ステラドームプロ」(デジタルプラネタリウム)1号機を平塚市博物館に納入 |
2007年
| 9月 |
「国立天文台 フロント・歴史館 展示ソフトウェア」を国立天文台へ納品 |
| 11月 |
「望遠鏡星図表示プログラム」を仙台市天文台へ納品
「アストロガイド 星空年鑑」の2008年版を発売。この年からDVD付に |
2008年
| 1月 |
「DVDではじめる 天体観察入門」(DVD付きムック)を発売 |
| 3月 |
「ステラミニ」(デジタルプラネタリウム)を四日市市博物館プラネタリウムに納品 |
| 7月 |
「カーナビ用6軸センサ対応アプリケーション」をエディアに納品 |
| 10月 |
iPhone、iPod touch用アプリ「iステラ」を開発 |
2009年
| 3月 |
ニンテンドーDS「星空ナビ」を開発・発売 |
| 4月 |
「エクリプスナビゲータ Ver.2」(日食シミュレーションソフト)を発売
「皆既日食2009」(DVD付きムック)を角川グループパブリッシングより発売 |
| 7月 |
「中国~トカラ皆既日食」に、アストロアーツ/星ナビ協賛ツアー出発 |
2010年
| 3月 |
「月・惑星シミュレータ」(開発受託)をJAXA宇宙教育センターに納品 |
| 11月 |
ステラナビゲータ用追加恒星データ「USNO-A2.0」を発売 |
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
2021年
2022年
2023年
2024年
2025年
2026年