AstroArts Topics

すばる望遠鏡

銀河の「化石」が明らかにした大質量銀河の形成と進化

2015/09/30
ビッグバンから40億年後の宇宙に存在している、既に星形成活動を終えた銀河をすばる望遠鏡で観測したところ、遠方銀河の恒星の性質が近傍宇宙で観測される楕円銀河のものとよく一致することがわかった。また、恒星に刻まれた情報を元に銀河の祖先をあぶり出し、およそ110億年にわたる楕円銀河の進化の様子が描きだされた。

100億年前の宇宙に発見、突然星を作らなくなった「マエストロ」銀河

2015/09/10
すばる望遠鏡による大規模な輝線銀河の探査から、100億年前の宇宙に「星の生成が止まりつつある」大質量銀河が発見された。多数の超新星爆発によって起こる銀河風が原因で星生成が止まることを示唆する結果で、銀河進化の全体像を理解するうえで大きな成果だ。

太陽の10兆倍以上の赤外線、塵に覆われた銀河「DOG」を多数発見

2015/08/31
すばる望遠鏡の観測データから塵に覆われた銀河「DOG」の探査が行われ、新たなDOGが48個発見された。DOGの赤外線光度は太陽の10兆倍以上にもなると推定され、急成長を遂げつつあると考えられている。銀河とその中心の超大質量ブラックホールの進化を知る上で大きな手がかりとなる成果だ。

すばる望遠鏡HSCで挑む「銀河考古学」

2015/08/05
すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラHSCを用いた渦巻銀河M81周囲の広域観測で、若い星の集団が銀河の周りに広く分布している様子などがとらえられた。若い星々は隣の銀河との強い重力相互作用によって引き離されたガスの中で生まれ、M81の周りを漂っていると考えられている。

すばる望遠鏡HSCが描き出した最初のダークマター地図

2015/07/07
すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラHSCを用いた観測データから、満月10個分ほどの天域に銀河団規模のダークマターが9つ集中して存在することが突き止められた。ダークマターの分布と時間変化を追い、宇宙膨張やそれを支配するダークエネルギーの謎に迫るための、観測装置と解析手法が確立したことを示す成果だ。

すばる、原始惑星系円盤に2つ目のリングギャップ構造を発見

2015/06/18
若い星の周りにある原始惑星系円盤をすばる望遠鏡で観測し、過去に見つかっていたリング状のギャップ構造の内側にもう1つのギャップ構造が発見された。惑星系の誕生の謎に迫るうえで重要な観測成果だ。

「はやぶさ2」のターゲットをすばる望遠鏡が撮影

2015/06/08
小惑星探査機「はやぶさ2」が向かう小惑星 「(162173) 1999 JU3」の姿を、すばる望遠鏡が撮影した。

初期の太陽系にそっくり、太陽系外「カイパーベルト」を発見

2015/06/01
太陽系の「カイパーベルト」に似た塵のリングがケンタウルス座の太陽型星の周りに見つかった。リングの大きさをはじめ太陽系との類似点が複数あり、幼い頃の太陽系の姿に似ているかもしれないという。

すばる望遠鏡で迫るスーパーフレア星の正体

2015/05/13
恒星表面の超巨大な爆発現象「スーパーフレア」が見つかった太陽型星のスペクトルを詳細に分析した結果、太陽とよく似た星でも巨大黒点が生じればスーパーフレアを起こしうるということが突き止められた。

すばる望遠鏡のHSC開発チーム、文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞

2015/04/30
すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム)」開発チームが、平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰の科学技術賞 (開発部門) を受賞した。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

20分間で大きく変化 2013年ラヴジョイ彗星の尾

2015/03/05
2013年末に明るくなったラヴジョイ彗星(C/2013 R1)の尾の素早い変化を、すばる望遠鏡がとらえた。尾の中でイオンの塊が移動するようすも観測されており、彗星の尾で起こる物理的メカニズムの解明につながると期待される。

水素の霧が晴れた?131億年前に突然現われた銀河たち

2014/11/20
初期宇宙において、観測される銀河からの光が急激に増えていることが、すばる望遠鏡の観測からわかった。中性水素の“霧”が晴れる現象「宇宙再電離」が関わっている可能性が高く、初期宇宙の出来事を探る大きな手がかりとなりそうだ。