2017年の主要なミラ型変光星の光度変化予測

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数か月以上の長い周期で明るさが大きく変わるミラ型変光星のうち主なものについて、2017年の光度変化の予測グラフを紹介しよう。くじら座のミラは2月下旬ごろ、はくちょう座χは11月上旬ごろに極大予想となっている。

【2017年1月6日 高橋進さん】

「ミラ型変光星」は、恒星の脈動によりおよそ100~500日の周期で5~10等級ほどの変光を見せる天体です。明るいものは小さな双眼鏡があればじゅうぶんに観測できますし、場合によっては肉眼でも観測可能です。そのため何か観測したいという方にはお勧めなのですが、実際には双眼鏡を向けてみたが見えなかった、という話もよく聞きます。たとえば、ミラ型変光星の代表星であるくじら座のミラの場合、極大の(一番明るい)ころは3~4等級になり肉眼でも観測可能なのですが、極小期(一番暗いころ)は9等にまで暗くなってしまい双眼鏡でも観測が難しくなります。

そこで、ミラ型変光星のうち主要な9星について、いつどれくらいの明るさになるかを予想したグラフを作成しました。これを利用して、その時期に見やすい天体をぜひ観測していただければと思います。ただし実際には1~2等級のずれが出る可能性がありますので、あくまで目安として参考にしてください。

ミラ型変光星の2017年の変光予想
ミラ型変光星の2017年の変光予想。ミラやしし座R、はくちょう座χが見やすい。クリックで画像拡大(提供:高橋進さん)

2017年の見どころですが、2月下旬にくじら座のミラ(ο Cet)が極大を迎えます。ミラはここ数年は極大期に太陽がすぐ近くにあり観測しづらかったのですが、2017年は観測しやすい位置にあり観測好期です。特に1月は毎日0.1等ほどのペースで急激に明るくなっていく様子が楽しめます。また赤い色が際立ってクリムゾンスターとも呼ばれるうさぎ座R(R Lep)は5月中旬が極大です。さすがに5月になると夕方でも低空になり観測は大変ですが、1~3月の増光していく様子は楽しめるかと思います。

また春の代表的なミラ型変光星のしし座R(R Leo)は5月上旬が極大で、これは最高の条件の極大といえます。そしてはくちょう座χ(χ Cyg)は11月上旬が極大です。この星は明るい極大と暗めの極大が交互に来る傾向がありますが、順番から行くと2017年は明るい極大が期待されます。

観測に必要な変光星図は日本変光星研究会ウェブサイト(「変光星図」ページ)や、アメリカ変光星観測者協会(AAVSO)ウェブサイトにありますのでぜひご利用ください。また観測結果については、上記日本変光星研究会サイトの「観測報告について」を参考に、日本変光星観測者連盟(VSOLJ)まで(観測受付の広沢憲治さん)ご報告をお願いします。

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