太陽のような軽い星の最期の姿「ひょうたん星雲」
【2017年2月6日 NASA】
太陽程度の質量をもつ軽い恒星は、進化の段階が一生の最期に近づくと、急速に赤色巨星から惑星状星雲へと移行する。その過程では、ガスや塵からなる恒星の外層が周囲の宇宙空間へ吹き飛ばされ、放出された物質は超高速で双方向に広がる。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、とも座にある「ひょうたん星雲」もそうした天体の一つだ。黄色で表された部分が放出されたガスで、時速100万kmに近い速度で移動している。
星がこうした進化の段階にあるのは、天文学的な時間スケールで言えばほんの一瞬でしかないため、この画像は貴重な観測例だ。ひょうたん星雲は、今後1000年ほどかけて、本格的な惑星状星雲に進化すると予測されている。
なお、この星雲は硫黄を多く含んでいることから、「腐った卵星雲」とも呼ばれている。ただし、地球から5000光年以上離れているので、匂いの心配は一切ないということだ。
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