ダイヤモンドを含む隕石は消滅した原始惑星の一部
【2018年4月23日 スイス連邦工科大学ローザンヌ校】
2008年10月7日に地球大気に突入した小惑星「2008 TC3」は、スーダンのヌビア砂漠上空で爆発し、隕石として砂漠に落下した。小惑星の直径は4mほどあり、大きさが1~10cm程度で総重量約4.5kgの破片50個が回収された。「アルマハータ・シッタ隕石」と名付けられたこれらの隕石は、石質隕石の中でもユレイライトと呼ばれる珍しいタイプであり、微小なダイヤモンドを含んでいる。
こうした微小なダイヤモンドが作られる方法にはいくつかあり、たとえば地球上のダイヤモンドのほとんどは、地球内部の高圧によって形成されたものだ。
アルマハータ・シッタ隕石および2008 TC3の起源を明らかにするため、スイス連邦工科大学ローザンヌ校のFarhang Nabieiさんたちの研究グループは、透過型電子顕微鏡を用いてアルマハータ・シッタ隕石に含まれている直径0.1mmの大きなダイヤモンドを調べた。
分析したデータによると、ダイヤモンドからはクロマイト、リン酸塩、鉄ニッケル硫化物が検出された。これらの成分が地球のダイヤモンドに存在することは長く知られてきたが、地球外の隕石から検出されたのは初めてのことだ。
これらの組成や形態は、ダイヤモンドが20GPaよりも高い圧力下で作られた場合にのみ説明が可能である。つまり、これほど高い圧力を達成できたということは、隕石の元になった天体が水星から火星ほどのサイズだったことを示している。
一般的な惑星形成モデルは、太陽系初期の1000万年の間にこうしたサイズの原始惑星が存在していたことを予測している。今回の結果はその説を裏付けるもので、ユレイライトの元となった天体が、約45億年前の衝突で破壊され消滅した原始惑星の一つであることを強く示している。
〈参照〉
- スイス連邦工科大学ローザンヌ校:Meteorite diamonds tell of a lost planet
- Nature Communications:A large planetary body inferred from diamond inclusions in a ureilite meteorite 論文
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