「はやぶさ」のカプセル回収を完了!
KAGAYA氏撮影の再突入時の画像も
【2010年6月14日 JAXA (1)/(2)/(3)/(4)/(5)】追記修正アリ
日本時間(以下同様)6月13日19時51分に、小惑星探査機「はやぶさ」は、小惑星「イトカワ」のサンプルが採取された可能性のあるカプセルを分離し、 22時51分頃に大気圏へ突入した。カプセル本体は大気圏突入から約1時間後に上空からの捜索で発見され、翌14日16時08分に回収作業が完了した。
「はやぶさ」は、6月13日19時51分にカプセルを分離、22時51分頃に大気圏へ突入した。多くの人が見守る中、ライブ中継の画像に小さな点として現れた「はやぶさ」は、まもなくまばゆい光を発して周囲の雲を一気に明るく照らし出した。その後、尾を引いて火球のような姿となり、その色も白から黄、さらに赤へと変化しながら暗くなり、暗い夜空に消えていった。
この帰還の瞬間が見届けられた後、分離されたカプセルが発する探索用のビーコンが無事受信された。そのビーコンを頼りにヘリコプターが行った捜索で、23時56分にカプセル本体が着地予定区域内に目視で発見され、回収作業が本日14日の昼過ぎに開始された。一方、カプセルの熱シールドはまだ見つかっておらず、現在捜索が進められている。その後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、16時08分にカプセルの回収作業が完了したと発表した。現時点で、カプセルは破損していないとみられている。また、捜索中だった熱シールドも着陸想定区域内に発見され、明日以降回収作業が行われる。
なお、すばる望遠鏡は、大気圏突入前の「はやぶさ」を撮影した。13日の14時59分から15時06分にかけて、かに座の方向、地球から約17万kmの距離に位置する「はやぶさ」をすばる望遠鏡がとらえ、地球帰還の瞬間が予定どおりに近づいていることが確認された。そのほか、ハワイにある口径3.6mのカナダ−フランス−ハワイ望遠鏡(CFHT)も、帰ってきた「はやぶさ」を撮影した。
アストロアーツでは、デジタルファインアーティストのKAGAYA氏より、同氏が現地で撮影した「はやぶさ」の画像をご提供いただいた。KAGAYA氏は、『「はやぶさ」は相当明るく、色は緑から赤へ変化しました。「地球帰還の瞬間=消滅の瞬間」を目撃し、なんとも切なく感動で目頭が熱くなりました』とコメントしている。