「あかつき」、金星に向けて軌道修正を開始
【2011年11月2日 JAXA】
11月1日、金星探査機「あかつき」は姿勢制御用エンジンによる軌道修正を実施した。今月中にあと2回実施し、2015年以降の金星との会合を目指す。
金星探査機「あかつき」は11月1日13時22分(日本時間)、姿勢制御用スラスタ(RCS)を10分間噴射し、第1回の軌道変更を完了した。
本来の軌道制御エンジン(OME)の破損が確認され、今後は代替としてRCSでの軌道制御を行うことが10月に決定してから、今回が初めてのRCSの軌道修正噴射となる。プロジェクトマネージャの中村正人教授は直後の記者会見で「(暫定的な発表としてだが)非常にうまくいった」と語っており、まずはひと安心というところだろう。
一連の軌道修正は、「あかつき」が2015年以降に金星に接近するような軌道に乗せるために行われる。軌道修正結果を1回ずつ確かめながら、11月10日と21日にも同様の軌道修正を行う予定となっている。
「あかつき」が目指す金星が夕方の西の空に
夏の間は太陽と同じ方向にあって見えなかった金星が、「宵の明星」として夕方の西の空に現れるようになってきた。今はまだ低いところにしか見えないが、西の空がひらけたところでは、夕暮れとともに眺めることができる。
これから3月にかけてだんだん高く見やすい位置に出るようになり、来年2、3月にはもうひとつの明るい惑星・木星と接近する。